使ってますか、和の食材。葛を用いたお料理しましょ
道端の小さな草花にも芽吹きの時がやってきました。そこここで春の訪れを感じるこの頃です。まだ風が冷たい日もあるけれど、日中はぽかぽか、そんな春の日に葛を使ったお料理はいかがでしょうか。葛粉で気軽に「ごま豆腐」、季節に楽しみたい「さくらの葛寄せ」、本葛で作る「葛もち」のレシピをご紹介します。

私が初めて葛を手にしたのは、旅行先の奈良でした。葛料理のつややかな見た目と、なんとも言えないトゥルンとしたのど越し、他の食材にはない魅力を感じました。

 

くず湯や葛根でおなじみの葛。混じりけのない「本葛」は良質なでんぷんを含み身体にやさしく吸収されます。元気な時はもちろん、離乳食や身体の弱った時にも胃腸の調子を整え、役立ちます。

 

葛というと他のとろみ食材で知られる片栗粉やコーンスターチに比べて値が張る印象ですが、上手に保存すれば長く保ち、お台所に常備しておくと食卓も豊かになる食材です。粉末はお菓子作りにも利用しやすく、塊は水に溶くお料理に使いやすいと思います。

左が粉末、右が塊の葛 最近は塊をガラス瓶に入れて常備

早速、ごま豆腐をご紹介します。

ごま豆腐は本来お寺の修行僧たちがごまを煎り、油が出るまですり鉢ですり、練り上げたものを使う滋養のある精進料理なのだそうですが、それを家庭でやろうとするには大変です。私も一度作りましたが、修行と思うほど腕は筋肉痛に……。ご家庭ではどうぞ練りごまをお使いください。

 

 

ごま豆腐

この日はまだ寒く、柚子の皮をあしらいました。季節によって、木の芽やわさび、クコの実なども

《材料》

2~3人分

・本葛・・・・・20g

・練りごま・・・20g

・水・・・・・・200g

※葛:練りごま:水=1:1:10(重量)の割合が作りやすくおすすめです。

こちらは黒ごま豆腐の材料

《作り方》

1.小鍋にすべての材料を入れ、葛がしっかり溶けるまでよく混ぜる。

2.弱火~中火にかけ、かき混ぜながら様子を見る。

3.少し固まり始めたら、弱火にして急いでかき混ぜ、練り上げる。

※ポイント

火にかけたらとにかく休まずかき混ぜ続けること。

とろみが出てからも3分〜5分ほどかき混ぜ、つやが出てくるのを待つこと。

 

4.水に濡らした型か器に流す。切る場合は、冷えて十分に固まってから。

※ポイント

冷やす際は、器ごと氷水をあてて冷やす程度が理想です。水の入ったバットに保冷剤を入れてもOK。冷蔵庫に入れるとしっかり固まり、固くなりがちです。

初めはすぐに沈殿するので、まだら模様

 

ふつふつとしてきたら一気に混ぜ、混ぜ続けるとつややかに

葛は顔を変える時をじっくりと見て、対話を楽しみます。白と黒、添える物も甘みそやわさび醤油、お出汁、と変えてみるのも楽しいです。ぜひ一度温かい作りたてのおいしさを。ごまのアレルギーがなければ小さなお子様にもどうぞ。わが家の娘も10カ月頃から無味のまま好んで食し、食感を楽しんでいました。

 

 

さくらの葛寄せ

 

これからの季節には、さくらの葛寄せも春らしくて心が和らぎます

 

《材料》

2~3人分

・水・・・・・・120g

・本葛・・・・・10g

・梅干しの刻みor梅酢or天日塩・・・少々(梅酢や梅干しの場合は酸味が加わります)

・桜の塩漬け・・・3輪

 

《作り方》

1.梅干しの刻みか梅酢、なければ天日塩を少しに葛と水を入れて中火にかける。

2.弱火でよく練りながら火を通し、つやが出たら、さらに3分程練る。

3.仕上げに水で塩抜きした桜の塩漬けを、水気を切り、のせたらできあがり。

 

別に刻んでおいた桜の塩漬けを下ろし際に加えてさっとひと混ぜしても。

少しゆるめに作って、小盛りにしたご飯に桜あんとしてかけても香りがよく、この季節ならではのおいしさです。娘は高熱の後、空腹過ぎて起き上がれないほど衰弱していた時でも、これならと一口ずつよく噛んでいただき、あっという間に回復していました。

 

 

葛もち

きな粉に天日塩を混ぜたものをたっぷりと

《材料》

2人分

・水・・・・・150ml(葛の3倍量)

・本葛・・・・  50g

・きなこ・・・おこのみで

・黒蜜・・・・おこのみで

・天日塩・・・少々

 

《作り方》

1.水に葛粉をよく溶かし、中火にかける。

2.ふつふつとしてきたら、焦げないように絶えず混ぜ、よく練る。(かなり重たい)

3.へらで鍋底をかいて底が見えるようになり透明になるまで練り上げる。

4.水に濡らした流し缶に落とし、冷やす。

5.冷めたら切って、お好みで黒蜜ときなこ、塩をかけていただく。

左/「ミルクみたい」と、娘も葛の沈殿具合を感じていました。右/水を張ったバットに型ごと入れて冷やします

小さな子のおやつにもおいしく、少し大きくなったら一緒に作るのも楽しいです。

その他、麹甘酒やリンゴジュース、南瓜やお芋類、お汁粉もくずで寄せたり練ったりすれば、ちょっとした甘味に。和食のあんにはもちろんのこと、ポタージュやシチュー、寒い時の汁物などにとろみとして少し足すと、つやと優しい食感が生まれ、体も温まります。

 

小さな子やお年を召した方、そして抜歯後や病中病後も飲み込みやすい葛料理は、滋養にあふれています。葛は季節の食材を合わせれば、一年中楽しめる食材です。

あまり特別扱いせず、キッチンに常備して気軽に使ってみると食卓が豊かになるように思います。普段から一食材としてご家庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。

春、花がひらくように、気持ちも身体もゆるやかに

Information

吉野本葛 天極堂 https://www.kudzu.co.jp/

記事で使用した本葛はこちらで購入しました。

 

《参考文献》

・辰巳洋著『薬膳素材辞典 健康に役立つ食薬の知識』(源草社)

・河内一行・川端晶子編著『応用自在な調理の基礎 フローチャートによる系統的実用書 日本料理編』(家政教育社)

・東城百合子著.『家庭でできる自然療法』(あなたと健康社)

・農林水産省「うちの郷土料理 次世代に伝えたい大切な味」

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/goma_toufu_wakayama.html

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この記事を書いた人
柴山有花理ライター
娘との青空弁当、読書時間をこよなく愛す、静岡出身。社会人を経て、身体と食に興味を持ち栄養学を学ぶ。出産・子育て経験から、こどもの未来に食からアクセスすることの大切さを痛感。夢は、生まれる前からの食の記憶に働きかけること。
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