
「明日は何をしよう……」
昨年の夏休み前に横浜市都筑区へ引っ越し、友人も知り合いもゼロ。3歳と6歳の息子たちと何をしたらいいのだろうと、まだ荷解きが終わっていないカオスな部屋を横目に、「横浜 子ども 遊び場」と毎日検索する日々。そんな中出会ったのが「鴨池公園こどもログハウス」でした。涼しい屋内と楽しい遊具に息子たちは大喜び。夏休み中に何度も足を運びました。

鴨池公園のまんまる広場からすぐ近く。夏になると、子どもたちは目の前の小さな池でザリガニ釣りを楽しみます
横浜市営地下鉄グリーンライン・都筑ふれあいの丘駅から徒歩15分。鴨池公園敷地内の近くの緑に囲まれた場所にある「鴨池公園こどもログハウス(かもいけランド)」は、中学生までの子どもが無料で利用できる(未就学児は保護者の同伴が必要)屋内公園施設です。横浜市には各区に一つずつ、全部で18カ所の「こどもログハウス」があります。

入り口前には駐輪場とベビーカー置き場があります。駐車場は身障者用2台分のみ
平日には150〜170人、週末にはなんと300〜400人の子どもたちや保護者が利用しています。平成6年(1994年)にオープンした鴨池公園こどもログハウスは、2023年7月から約半年間、大規模修繕のため休館していました。
「エアコンの増設工事をして、2024年の1月からまた開館したんです。特に夏はログハウスの中も暑くて大変だったけど、今は子どもたちもスタッフもとっても快適に過ごせるようになりました」と、お話をしてくださったのはログハウスを管理されている認定特定非営利活動法人つづき区民交流協会の柳田さん。

認定特定非営利活動法人つづき区民交流協会の柳田さん(左)とログハウススタッフの松本さん(右)。現在スタッフは11名
鴨池公園こどもログハウスってどんな場所?
入ってまず子どもたちがすることは靴と靴下を脱ぐこと。ログハウスでは「裸足」で遊ぶことが約束の一つです。館内は地下迷路、1階、2階、そして小さな展望台からできています。1階には、ボール遊びなどができる開けたスペース、お絵描きコーナー、本などがある静かなスペース、テラスなど。2階は木の吊り橋、らせん滑り台、そして宇宙船のようなかっこいい球体部分に入って遊ぶことのできるスペースキューブも。2階からさらに上がっていくと、小さな隠し部屋のような展望台に着きます。

みんな一度は入りたい、宇宙船のようなスペースキューブ!

1階の木のはしごを使って降りていくと、地下迷路が。実際に入ってみると思っていたより広くて驚きました。地下迷路の出入り口は2カ所。どこから出てくるかはお楽しみ!子どもたちの鬼ごっこやかくれんぼの場所としても大活躍です
受付横にはお絵描きスペース。この日は真剣にオセロをしている二人の姿が。ぬり絵や折り紙、紙飛行機用の紙も置いています。

食べ物の持ち込みは禁止ですが、玄関かお絵描きコーナーで飲み物を飲むことができます
1階の「静かなスペース」では、本を読んだり、積み木をしたり、赤ちゃんも安心して過ごせます。小学生が元気に走り回る時間帯でも、ここならぶつかる心配がありません。平日は14時半ごろから小学生の利用が増え、館内は一気に活気づきます。小さな子がボール遊びや2階で遊ぶなら、比較的落ち着いている午前中がおすすめです。

ジョイントマットが敷いてあるので赤ちゃんも安心して遊べる1階の「静かなスペース」。絵本もたくさんあります
小さな工夫たち
お正月の時期に遊びに行くと、スタッフの方手作りの柔らかい羽子板を見つけた息子。子どもが遊びやすいようにダンボールなどで大きめに作られていて、6歳の長男と汗を流しながら遊びました。長男にとってはあの日が初めての羽子板遊び。お家ではなかなかできない昔からの遊びや、季節にあったお祝いを体験できるとてもよい時間でした。
息子たちと何度も利用しているうちに、ログハウスには小さな工夫や季節に合わせた遊びがたくさんあることに気が付き、スタッフの松本さんにお話を伺いました。
隠れているキャラクターが定期的に変わっていたり、毎月その月のお誕生日の子の名前が書かれているボードがあったり……。実は細かい工夫がたくさん隠れているように思うのですが、どのように運営しているのでしょうか?

隠れているキャラクターがどうしても見つからない時は、スタッフさんのところに行くとこっそりヒントをくれます
「月に一度、スタッフ全員で集まってイベントの確認や改善点などについてミーティングをしています。代々受け継がれてきたものを季節に合わせて出したり、スタッフのアイデアで突発的に何かを始めることもあります。今は終わってしまいましたが、来館するとたまるログポイントもスタッフの提案で始めたものなんです。いっぱいになった子にはスーパーボールをプレゼントしていました」
ログポイント!私の息子たちも集めていました。小さな工夫はスタッフの方のミーティングや発案で支えられているんですね。
地域とつながる
お絵描きコーナーで息子とぬり絵をしていると、「お手紙をかくボランティアに参加してね」の文字が目に止まりました。
お手紙のボランティア?
そこで私は初めて「お手紙弁当」という取り組みを知りました。「お手紙弁当」は、お家で過ごしているご高齢の方や一人暮らし、子育て中の方へ、一人ひとりに宛てた手書きのお手紙を添えてお弁当をお届けするもので、横浜市都筑区で特定非営利活動法人ロクマルが始めた活動です。

「お手紙弁当」の手紙書きに参加している鴨池公園こどもログハウス。子どもたちからの手紙付きなんてお弁当が楽しみになりますね
地域のおじいちゃんやおばあちゃんに手紙が書けたら、そのまま受付にある「おてがみべんとうポスト」へ入れて完了!受付のボードには、子どもたちから手紙をもらった90歳の方からの「いつも心やさしいお手紙ありがとう」と書かれたお返事が飾られていました。
さらにログハウスには、「かもっこくらぶ」という赤ちゃん、未就園児、妊婦さん向け親子プログラムがあります。「はぐはぐ」「おはなしのはなたば」「おさるんリトミック」など、楽しそうなプログラムが定期的に開催されます。内容は人形劇、リトミックや手遊びわらべうたなどさまざま。参加費は子ども一人400円(無料プログラムあり)、予約不要、先着15組です。
私はおさるんリトミックに参加しました。おさるんリトミックは腹話術おさるのゴンちゃんとチエ先生の親子リトミック。ゴンちゃんも子どもたちも元気いっぱい。大好きなママやパパ、おじいちゃんやおばあちゃんの膝の上で転がったり、持ち上げてもらったり、とっても楽しそう。プログラムが終わったあとも、子どもたちはブロックやおままごとのキッチンで楽しそうに過ごしていました。どのプログラムもとても人気で、開始直前に行くと定員いっぱいで参加できないこともあるので、少し早めに行くのがおすすめです。

歌に合わせて歩いたり、タンバリンを叩いたり、最後に少し工作も
ログハウスでは年間を通して地域とつながるイベントもたくさん開催しています。「夏の工作」や「木工クラフト」、近所のおじいちゃんおばあちゃんに年賀状を書く「年賀状をかこう」という素敵なイベントも。どれも参加費は無料(一部有料のイベントあり)。たくさんの子どもたちが気軽に参加することができます。
柳田さん「年間イベントの中でも、七夕、木工クラフト、落ち葉ひろい、年賀状をかこう、親子で巣箱づくりは特に地域の方々とのつながりの多いイベントです。たくさんの地域の方々の協力の元開催されています。実はここのスタッフは、前のスタッフからの口コミで『楽しいから一緒にやらない?』と友人やママ友に誘われて入ってくれる方も多いのですが、そのようなつながりもあってか、一番人気の『ログハウスまつり』ではスタッフのご友人やさらにそのご友人といったように、たくさんの方々が手伝ってくださいます」
昨年、私も息子たちと「ログハウスまつり」に参加しました。外まで長い列ができるほどの人気ぶりに驚いたのを覚えています。的当てやボウリングゲームを楽しんだ後、お菓子や景品をもらい、二人とも大満足でした。ぜひ、ログハウスのイベントや活動にも参加してみてください。

2025年度のイベント予定表。ホームページやチラシで詳細を確認してみてください
「じゃあねー!」「またここで待ち合わせねー!!」
ログハウスの写真を撮り終えて帰る途中、元気に友達に手を振る子どもたちの声が聞こえました。
温暖化が進むにつれ、毎年暑さが厳しくなり、公園で遊ぶのも難しくなってきました。子どもたちが気軽に集まって遊べる場所がどんどん減っているように感じます。だからこそ、これからますますログハウスのような遊び場は大切になっていくのではないでしょうか。そして大人になったときに「学校の後よくここで遊んだよね」「いつもここで待ち合わせしたよね」と、懐かしく思い出せる場所になっていくのかもしれません。

鴨池公園こどもログハウス
https://www.tsuzuki-koryu.org/loghouse/
アクセス:横浜市営地下鉄「都筑ふれあいの丘駅」徒歩15分、「センター南駅」徒歩20分
横浜市営バス 306、124、80系統「御影橋」バス停下車、徒歩5分
東急田園都市線江田駅、市営地下鉄仲町台駅から横浜市営バス 301系統 「池田」バス停下車、徒歩5分
開館時間:午前9:00~午後5:00
休館日:毎月第3月曜日(祝日にあたる場合は翌火曜日)・年末年始(12月29日~1月3日)
利用対象者:小中学生・幼児とその保護者 大人、高校生のみの利用不可
駐車場なし(身障者用のみ2台分あり:前日までに要予約)
電話:045-942-1569

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