旧年中の感謝と新年の厚情をあらわす年賀状。毎年、我が家の年賀状は、その年の子どもたちの写真などをパソコンで編集してプリントしています。
みなさんのご家庭でも、パソコンを使用して年賀状を作成している方が多いと思います。
さて、今年も年賀状にとりかからないと……と、その時、小学生の娘が「自分の友だちに送る年賀状をつくりたい」と言いだしました。
そこで、デジタルの時代だからこそアナログの魅力を! と、版画の年賀状をつくってみることにしました。
今回、スチレン版画とローラーを使用したものにチャレンジしました。
スチレン版画とは、スチレンボードに傷をつけて表面に凹みをつけて写しとる版画です。凹んだ部分の色が抜けて白くなります。スチレンボードは柔らかく、小さいお子さんでも扱いやすい素材なのです。
発砲スチロールでもできるのですが、きめの粗いものだと描いているうちにボロボロと剥がれていくので、細い線や細かな表現には向いていません。
お魚やお肉のトレーでもできます。ただ表面に薄いビニールのようなものがコーティングされているものは、表面に傷がつかないように剥がす必要があります。強めに描いて凹みができ、インクがはじかないようなら制作可能です。
さて、写真を交えて手順を説明しますね。
まず下絵をかきます。娘は、図鑑を見ながら来年の干支の猿を描きました。左右対称になることを意識して、スチレン板に下絵を写します。
描いた線の部分の色が抜け、白いラインで猿のイラストが刷り上がりました。
カッターや彫刻刀で切り出した線では表せない、フリーハンドで描いた自然な線が簡単に表現できます。
次は、版をつくるものではないのですが、ローラーで簡単に綺麗な模様を転写できる方法をご紹介します。
娘もどんどんアイディアがうまれて、色遊びや刷り上がりの偶然性を楽しんでいる様子でした。こういった遊びのなかから完成のイメージを膨らますのも楽しいものです。
私が小学生の時、ゴム版を彫って年賀状をつくっていたことを思い出しました。こたつに入って彫刻刀でゴム版を彫って、送る相手のことを思いながら1枚1枚刷っていく。宛名も全て手書きでしたよね。
今ではすっかりデジタル化して、宛名もプリントでき、短い時間で簡単で綺麗な年賀状がつくれるようになりました。とても便利なのですが、ぬくもりを感じる手づくりならではの年賀状もいいなとしみじみ思いました。
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