

軽トラックや道具が並ぶ事務所の様子。地域のみどりを支える日常の風景
―造園会社が行うみどりの体験活動―
白い布の上に葉っぱをのせる。
小さなトンカチでトントンと叩く。
すると、じわっとみどり色がにじみます。
「え、なんで?」
何気なく握っていた葉っぱが、急に特別なものに変わる瞬間です。

葉っぱを叩く音に包まれながら、こどもたちは思い思いの模様をつくっていく
こうした体験を届けているのが、横浜市泉区にある造園会社・株式会社平松造園の取り組み「ひらぞう Green Lab」です。
地域のイベントや施設と連携しながら実施しており、植物に実際に触れながら楽しめるワークショップを行っています。
教えているのは学校の先生や専門の講師ではなく、普段から樹木や緑地の管理に携わる造園会社の従業員です。日々の仕事のなかで植物に触れている職人たちが、保育園児から小学校高学年まで、さまざまな年齢のこどもたちに、葉っぱの形や木のことを伝えています。
公園や街路樹の管理、庭づくりなどを行う造園会社の現場では日々、剪定によって廃棄される予定の枝や葉が生まれます。役目を終えたそれらを、体験活動の素材として活用しているのです。

同じみどりでも、形や色は一つずつ違っている
私は、里山のある環境で育ち、幼い頃から庭で過ごす時間が好きでした。
花を植えたり、庭を手入れしたりする祖父の姿を見ながら、自然とみどりが身近な存在になっていった気がします。
そして今、私は平松造園の一員として、ひらぞう Green Lab の企画に携わっています。当たり前のように見ていた草や木も、造園の仕事に関わるようになってから、少しずつ見え方が変わっていきました。
ひらぞう Green Labでは、こどもたちにもそんな“みどりの面白さ”を感じてもらえたらと思っています。
今回は、ひらぞう Green Labの活動や造園業への思いについて、現場からの声をお届けします。

季節ごとに表情を変える、筆者の祖父が造った庭
ーその“みどり”を、もう一度こどもたちへ―
役目を終えた枝や葉に、新しい役割を持たせる。
ひらぞう Green Labは、そんな発想から生まれた取り組みだそうです。
この活動は、最初から事業として計画されていたわけではありません。
プロジェクトの立ち上げに関わった社員の方にお話を聞くと、当時を思い出すように、ゆっくりと言葉を選びながら話してくださいました。
「立ち上げたというより、社員の中から自然に出てきたものなんです」

「この葉っぱ、なんだと思う?」と取材中も、次々に植物の話題が広がっていった
もともと社内でこども向けの活動をしたいという声が上がっていたものの、具体的な形は決まっていませんでした。試しながら続けていくなかで、造園の現場で出る葉っぱや枝を使った叩き染めや、社員がこどもたちに植物のことを伝える現在のスタイルへと少しずつ形になっていったといいます。

葉っぱの模様を写し取った、世界に一つだけのマイバッグ
「その日、一人でも“へぇ”ってなってくれたら、それでいいんです」
大きな目的を掲げるというより、まずはみどりに触れるきっかけをつくること。そんな思いで活動を続けています。
― みどりの未来に、種をまく―
なぜこども向けの活動をつくりたかったのでしょうか?
「こどもたちに、植物や自然の魅力を知ってもらいたいんです。もっとみどりを好きになってほしい」
社長の平松隆洋さんはそう話します。

普段から、地域のこどもたちと関わる機会も多い平松さん
平松造園が掲げる「こどもたちにみどりを」という理念には、こどもたちが大人になった時、今よりもっとみどりを残し、親しんでいける未来につながってほしいという思いが込められています。
小さい頃に自然に触れた記憶や体験が、将来どこかで緑に目を向けるきっかけになるかもしれません。
5人のこどもの父でもあり、休日は少年野球の監督としてグラウンドに立つこともある平松さん。日頃から地域のこどもたちと関わる中で、“次世代”について考える機会も多いと言います。
造園の仕事は、過酷だと思われることも少なくありません。夏は暑く、冬は寒い。体力も必要です。
それでも、公園や街路樹を整えたり、季節ごとに変わる景色を守ったりと、地域の暮らしに関わっている実感がある仕事でもあります。
「つらい面ばかりが伝わってしまう。でも、やってみないと分からないやりがいもあります。だからこそ、まずはこどもたちに“みどり”を身近に感じてもらいたい」
ひらぞう Green Labは、そんな思いから続けている活動でもあります。

まるで、街のみどりの床屋さん。1本ずつ、その木らしい形へ整えていく
「未来への投資かもしれません」
そう語る、平松さん。
ひらぞう Green Labは、すぐに成果が出るものではありません。
ただ、こどもたちが葉っぱに触れたり、植物を面白いと感じたりする時間が、将来どこかで“みどり”へ目を向けるきっかけになるかもしれません。
そんな小さな体験の積み重ねが、これからの地域の風景を守ることにつながっていくのかもしれません。

放課後キッズクラブでの一コマ。こどもたちそれぞれの“みどり”が、バッグいっぱいに広がっていた
造園の現場から生まれた、小さな体験活動。
葉っぱを叩く音や、にじむ色に驚くこどもたちの姿からは、みどりと出会う瞬間の楽しさが伝わってきます。
現在は、葉っぱスタンプや叩き染めを中心に、植物に実際に触れながら楽しめる体験活動を行っています。
「こどもたちにみどりを」
その言葉の意味を、体験を通して少しずつ伝えていく場所。
それが、ひらぞう Green Labなのかもしれません。

従業員のこどもたちの写真が並ぶ事務所には、今日も次の世代への思いが息づいている
株式会社平松造園
神奈川県横浜市泉区下和泉1‐14‐22
TEL:045-443-9155
FAX:045‐443‐9156
アドレス: greenlab@hirazoen.co.jp
URL:https://www.hirazoen.co.jp/index.html
インスタグラム:hirazou.26
ひらぞう Green Lab の開催日時やイベント情報は、公式Instagramでお知らせしています!
▼インスタグラム
https://www.instagram.com/hirazou.26/
現在は、放課後キッズクラブや地域イベントを中心に、本業の造園業務の合間を縫って活動しています。
そのため、多くの開催は難しいのですが、
日程や内容が合えば、地域団体さま・こども向け活動への出張開催も行っています。
「こんなことできる?」といったご相談も受け付けていますので、まずはメールにてお問い合わせください。
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