駅に直結した青葉台東急スクエア北館(Sohth-2)の3階に、久留米絣をワンピースやバッグ、小物に仕立てたオリジナル商品を扱う「gi(ギィー)」というブランドがあります。
久留米絣といえば、ざっくり織られた縞地で藍色の着物、今となっては伝統工芸品で、百貨店などで反物が高値で取り引きされ、若者世代にはちょっと遠い存在のような気がしていました。
giではそんなイメージを一新し、ボーダーのマリン風ワンピースやレースをあしらったチュニック、ころんと丸いトートバッグ、化粧ポーチなど、新しい切り口で久留米絣を提案しています。
キタハラは、実はgiの大ファンです。
これまでも小物をちょこちょこ買うことはあったのですが、今年のお正月に初めてgiのワンピースを着用して、その着心地にとても驚きました。100%コットンで肌にさらりと馴染み、着るほどに自分の体にフィットしていきます。指が生地にふれるたびに心地よく、洋服に対する概念が変わったといっても過言ではありません。
その後も何着か買ってみたのですが、生地がしっかりしているので張りがあって形崩れしにくく、木綿なので洗濯機でもじゃぶじゃぶ洗えます。デザインによっては、よそゆきとしても十分に活躍します。それに、「着るごとに育っていく」感覚があり、風合いが増していくのがうれしいところ。
最近では衣類の価格破壊が進み、洋服ですら「使い捨て」する風潮もふつうになってきました。正直、ワンピース1着で15000円から30000円程度、という価格は、決して安くはありません。しかしながら、久留米絣独特の縞模様を生かした、飽きのこない普遍的なデザインとシンプルなシルエットは、流行に左右されず、長きにわたっての着用に十分たえられます。何よりも、「本物」を着ることの心地よさには代えられません。
「久留米絣は、最盛期の1929年には200万反を売るほどだったのですが、現在は10万反程度にすぎません。久留米絣に限らず、国内の伝統工芸は衰退の一途をたどっています。新しい使い方を提案し、新しい価値をつくっていくことで、次の世代にも久留米絣を伝えていきたいと考えています」。
このようにgiのブランドコンセプトを話すgi青葉台店店長の野口和彦さんは、久留米絣の販売を生業とする岡本商店の4代目です。
giで扱う服の生地は、少しでも値段を押さえるために機械織りだそうです。そこには「何としても産業としての久留米絣を残したい」という、野口さんたちの強い意志があります。
「結果的に鑑賞用になってしまうような伝統工芸品としてではなく、日常的に使い、ふれていただけるような製品として、久留米絣を生活者に提案していきたい」(野口さん)
いいものを長く愛着する。そんな人が増えていけば、日本のものづくりは新しいステージを迎え、伝統工芸の産地やデザインは活性化していくはずです。サスティナブルって、本当はこういうことなんじゃないかな、と思いました。
キタハラ’s eye
衣食住で、食や住環境にはこだわってきたけれど、そういえば衣類はなおざりになっていたなあ、と思っていたころ、giとの出会いがありました。ポシェットやお財布、バッグなどの小物もかわいいけれど、できれば一度、衣類に袖を通してほしい!! 「木綿って、こんなに気持ちいいんだ」と、びっくりするはずですよ。ゆったりとしたカットの服が多く、デザインもシンプルなので、着る人を選びません。娘はわたしがgiの服を着ている時に限って、服に顔をこすりつけてきます(鼻水がつくので困っちゃうのですが)。たぶん、だっこされる方も気持ちいいんですね。
gi(ギィー)青葉台店
住所:神奈川県横浜市青葉区青葉台2-1-1
TEL:045-985-8016
OPEN:10:00〜21:00
定休:青葉台東急スクエアの定休日に準ずる
駐車場:あり
アクセス:東急田園都市線青葉台駅徒歩0分
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