【事例紹介】資源循環(3R)を普及啓発する講座運営(青葉区地域振興課様 )
森ノオトは、NPO法人設立前から、「もったいない」をテーマに、ごみをなるべく出さない暮らしの情報を発信し続けてきました。NPOを設立した2013年からは、毎年、青葉区地域振興課様との協働で、横浜市の家庭ごみ削減に関わる啓発事業を続けています。

資源循環のキーワードとして知られる「3R」とは、Reduce(リデュース)=ごみとなるものを受け取らない、Reuse(リユース)=捨てずに再利用する、Recycle(リサイクル)=資源として再生利用する、という3つの「R」をとって生まれた造語です。

横浜市は2011年度より「横浜市一般廃棄物処理基本計画」として「ヨコハマ3R夢プラン」を進めてきました。3Rの中でもとりわけ優先度の高いリデュース(ごみの発生抑制)を進め、ごみと資源の総排出量を減らし、子どもたちが「夢」を持つことのできる社会の実現を目指していこうという取り組みです。

 

森ノオトは2009年のローカルメディア創刊時から、ライター自身のライフスタイルの中で、日々発生するごみを抑制するアイデアや、食べ物の可食部廃棄を減らす「もったいないレシピ」などの記事を発信していました。

 

▼我が家のもったいないレシピリレーVol.2 くず野菜のオニオンスープ

https://morinooto.jp/2013/02/06/mottainairecipevol2/

もったいないレシピリレーは、当時のライターたちがレシピのバトンを渡す形で続いて行った人気連載

また、2010年からは、コミュニティラジオのパーソナリティーの方が森ノオトのライターとしても活躍しており、青葉区のエコ活動を発信する「エコラボ」というラジオ番組に連動した連載をしていました。その読者であった青葉区の職員の方が、森ノオトの3Rを啓発する記事に注目してくださって、森ノオトがNPOを設立した2013年に青葉区地域振興課の資源化推進担当者の方からお声がかかって始まったのが「3R夢なクッキング講座」です。

青葉区内の地区センター調理室で開催していた「3R夢なクッキング講座」

当時、森ノオトのライター間で流行していたのが、野菜の皮を捨てずに冷凍ストックして、料理の「だし」にする「ベジブロス」。野菜の皮や芽出しの部分に含まれるうまみが溶け出して、とてもやさしい「だし」になるため、野菜の皮を捨てずに活用しよう!という提案とともに、森ノオトライターが料理教室の講師となって、ベジブロスを使ったリゾットや炊き込みごはんなどのレシピをお伝えしました。

その後も、野菜の根っこ部分を使った「根っこ味噌」など、森ノオトのライターたちでレシピを考案し、青葉区の人気講座として定着しました。

 

▼【しごと】3R夢なクッキング講座

https://morinooto.jp/infomation/3rm2013/

可食部はすべて使い切るレシピが好評

2017年からは横浜市の地産地消の普及啓発を進める「はまふぅどコンシェルジュ」に講師をお願いし、青葉区の食品ごみの調査から出てきた廃棄物の傾向を反映したレシピを提案。特に、ドレッシングを使いきれずに捨てる人が多いという調査から、「ドレッシングは買わずに、ある材料でつくる」という「ドレッシングでフードロス対策」という講座を実施。2019年には整理収納術のプロとともに、フードロスの根本から見直す冷蔵庫整理術「3R夢な冷蔵庫講座」を行い、本質的なフードロス対策に踏み込みました。

 

▼10/23(水)開催!3R夢な冷蔵庫整理術

https://morinooto.jp/2019/09/02/3rmreizouko/

ドレッシングは買うのではなく作ってその日のうちに食べ切る提案を行った

コロナ禍で料理教室ができなくなった2020年以降は、企画を柔軟に変更し、オンラインで「3R夢な暮らしオンライン講座」や、環境活動家を招いての「3R夢な暮らし講演会〜プラスチックごみを考える」といった、区民向けの座学講座を実施しました。

 

▼マキさんからシンプルライフを学ぼう!【3/2】オンライン講演会

https://morinooto.jp/2022/02/08/maki/

コロナ禍は家庭ごみの排出量が増えた。人が集まることができない時こそ、オンラインを活用して柔軟に3Rの普及を行った

2022年度からは、区からの「子ども向けに3Rを伝えたい」という要望を受け、「3R理科実験教室」を企画。「プラスチックごみを分別することの大切さや、ごみとして捨てるのではなく資源として循環させていく大切さを伝えたい」という思いから、プラスチックがいかに安価で簡単にものづくりができるものなのか、再生利用の容易さなどを体感できるプログラムを講師とともに考えました。現在まで2年続いているこの実験教室は、募集を開始すると定員の倍以上の申し込みが殺到する人気プログラムとなっています。

 

▼プラごみリサイクルを体験してみよう!3/24(日)3R理科実験教室

https://morinooto.jp/2024/02/21/3rjikken/

2024年度より一部のエリアで製品プラスチックの回収も始まり、プラスチックごみ削減の機運が高まっている

こうした、行政との協働による3Rの普及啓発事業では、私たちが日々の暮らしで実践しているごみ分別に対する疑問や、近所の人や子どもたちとの会話の中からヒントを得て、いかに生活者である市民に伝え、暮らしに取り入れていただくかという視点で企画を考えています。

また、3Rの普及啓発の根拠となる、ごみの収集や分別の現場にも自主的に足を運び、取材をするなかで、自分たちの企画する講座において説得力をもって3Rの大切さを伝えることができています。

 

▼プラごみが資源に変わるまで。ルール+αの「思いやり」と「マナー」が未来をよくする。

https://morinooto.jp/2024/07/11/jt/

ペットボトルリサイクルや、プラスチック資源の中間処理施設の取材は自主的に行った

森ノオトと共に、生活実感に基づくSDGsの企画を協働してみませんか。

 

<プロジェクト担当スタッフ>

企画・運営:北原まどか

サポート:森ノオトライター、各種講師の方々

Information

森ノオトでは、環境や資源循環等の行政課題を、市民の生活実感に即して普及啓発できる事業の企画相談を受け付けています。

■お問い合わせはこちら
https://morinooto.jp/mori/contact/

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