農に学ぶ。シンポジウム「土と健康」その3 真弓定夫先生基調講演レポート後編
2月7日(日)、あざみ野アートフォーラムで開催された「NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク」のシンポジウム。今回は真弓定夫先生基調講演の後半をお伝えします。

真弓先生はまず、日本の医療費が莫大な金額に膨れ上がっている理由に、日本人が本来食べるべきではない食物を摂取するライフスタイルを挙げました。

そのうえで、「自分の住んでいる土地のものを食べること」という食の基本を提示しました。

真弓先生はまた、季節のものを食べることの必要性についてもうったえました。

「これから、季節は春に移り変わります。日本は春夏秋冬、四季があり、それぞれ季節の食材には重要な意味があります」と、江戸から明治にかけて活躍した医師・石塚左玄の説を紹介。

「春は苦み」。フキノトウや菜の花など、苦味のある野草を採ることで冬に蓄えた脂肪を排出するという意味があります。

食欲が落ちる「夏は酢の物」。

「秋は辛み」。秋なすの田楽や秋刀魚におろし醤油など、辛みのあるものを食べて冬に備えます。

そして「冬は油」と心して食べること。寒い時期はすき焼きや水炊き、焼き鳥など、少しは動物性の脂肪をとっても構わないとのことです。

食養の基本としては、動物性の脂肪については、人は冬以外、自分の体温より高い動物の油を食べてはならないということです。

人間の平熱は約36.5度ですが、牛のそれは38.5度。人間の身体で溶かすことのできない脂肪は皮下脂肪として内臓にたまり、肝硬変や糖尿病の原因になるそうです。冬を越して動物性脂肪を摂取する場合は、人間よりも体温の低い魚であれば、皮下脂肪にたまりにくいとのことです。

真弓先生はまた、妊婦が牛乳を飲むと赤ちゃんが将来糖尿病やADHC(多動性障害)になる可能性もあると指摘しました。

以上の話から、「食の大前提として、季節のもの、土地のものを食べ、四季折々の食べ方の工夫をしていただくべきだ」と結論した真弓先生。

腐るものを腐る前に食べる、つまり「生きている者を食べることが一番大事ですよ」、と付け加えました。

「薬という字は、くさかんむりが上にきて、ごはんと野菜をたっぷり、木の実や果物を少し食べることを表しています。そうすれば、ごはんは薬になる。台所は薬局でもあります。食べ物はリスクのない薬です」(真弓先生)

また、現代の子どもを取り巻く環境として、行き過ぎた温度管理についても上げました。

「子どもは限りなく裸に近い薄着でいるべき」とは真弓先生の持論。

外気温と室内の温度の差は、大人であれば±10℃、子どもの場合は±5℃が基本だそうです。

今の子どもの体温が下がっていることと、一年中温度管理された保育器のような環境で育っていることと無関係ではないそうです。

「“冷え”と“冷たい”ということは違う。今の子どもは上半身も下半身も冷たいのです。暖房冷房をするのではなく、暖身冷身くらいがちょうどいい。横隔膜を境に、頭寒足熱を心がけましょう」と提案しました。

食べ物は、25時間何も食べなければダメ。

水は5時間飲まなければダメ。

でも空気は5分吸わなければ死んでしまう。

真弓先生は「本当は食べ物よりも空気の方が大切。空気を加工しては行けない」、と力を込めました。

この現代をしっかり生きていくためには、私たちはまず、口の中に食べ物がある間にしっかり噛んで咀嚼の習慣を身につけ、消化を促し、血行を良くして全身に血液を行き渡らせる。血行を良くするために手足、家事労働、家事分担をする。家事分担率が高いほど子どもは元気になれる、とも。

そして、感謝の精神でもってほかの食べ物に接すること。

最後に、学校で命の大切さを伝える授業として、鶏や豚を屠って食べる授業を行っている教育者の鳥山敏子さんの話をした真弓先生。そこで、子どもの感想を結びの言葉にしました。

「豚さんごめんなさい。

私は今まであなた方の命をいただいて生活してきました。

豚さん、今度生まれ変わったら人になって。

私は豚になってあなたに食べられます」

(次回はパネルディスカッションの様子をレポートします)

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/編集長/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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