子育て当事者のソーシャルアクションって? 4/20(金)その全貌が明らかに!?
自らが子育てをしながら、地域で声をかけあったり助け合ったり、まちのことを知って未来へつなげていこうとする活動が、横浜市内のあちこちに広がっています。そんなメンバーが一堂に会する「子育て当事者のソーシャルアクション見本市」が、2018年4月20日(金)に神奈川県住宅供給公社ビルで開催されます。

私は、森ノオトを通して、もう一つ別の市民団体「みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議」実行委員会のメンバーとして、横浜市内の子育て当事者による市民活動をネットワークすることに取り組んでいます。

 

実行委員会のメンバーは8名で、横浜の中でもそうそうたるソーシャルアクションの担い手たちです。横浜市戸塚区で「子育てをまちでプラスに」を合言葉にコミュニティカフェの運営や様々な社会課題解決の場づくりをしているNPO法人こまちぷらすの森祐美子さん&北本若葉さん。鶴見区で子育てマップをつくりながら子育てしやすいまちづくりを目指してNPOを立ち上げたNPO法人つるみままっぷの今井幸子さん&郡幸乃さん。港北区で商店会と一緒に地域のコミュニティスペースを運営している大倉山おへその小松由希子さん。中区・西区エリアで子育て当事者による子育て支援活動をしているまま力の会の船本由佳さん(森ノオトのローカルメディア事業のコーディネーターでもあります)。そして私、北原まどかは、持続可能な未来のための暮らしをつくる情報発信事業をおこなっているNPO法人森ノオトを運営しています。このメンバーをつなぐ役目を果たしてくださったのが、私たちの先輩世代で横浜の子育てネットワークをつくってきたこどもの未来サポートオフィス代表の米田佐知子さんです。

みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議の共同代表で、NPO法人こまちぷらす理事長の森さん。「子育てに限らず、社会の課題を解決していくには、今ある制度だけでは足りなくて、むしろその隙間を埋めていくものが必要。それこそがソーシャルアクションの積み重ねでは」と話す

私たちはこれまで「子育て当事者によるソーシャルアクション」という言葉を使うにあたり、議論を重ねてきました。

 

私たち実行委員会メンバーは、属性としてはみんな「母親」です。だけど、子育ては母親だけでするものではありません。父親も一緒に子育てをします。もしかしたら片方の親だけで育てるケースもあるかもしれません。時には祖父母に助けられ、保育園や幼稚園、ほかにも子育てサポーターの手を借りることもあります。ただ、ここでは「支援者」ではなく、自らが目の前の子どもと今日明日を必死に生きている「当事者」を指しています。

 

では、ソーシャルアクションとはいったいどういうことなのでしょう? 直訳すると社会的な活動=市民活動です。市民活動はボランティア活動(金銭的な対価を得ない奉仕活動)だけを指すわけではなく、収益をあげて人件費や家賃などの経費をまかなうこともできます。活動を持続させるためには、収益を得ることも大切で、それはソーシャルビジネスと言うこともできます。子育てに限って言えば、子育て中の孤立や孤独などの社会課題を解決するための居場所や仕組みをつくったり、母親たちが子連れで参加できるような活動をコーディネートしていくこともそうです。出産や育児を機に働き方を変え、子育てに直接的に関係のない環境や社会活動を始めるケースもあります。いずれにせよ個々人の自己実現や満足の追求よりも、商店街や行政や子育て支援者など地域のさまざまな団体や個人とつながって、面的な広がりをもたせ、ときに仕組みを変えていくことが、「ソーシャル」な活動と言えるのではないか、と、私たちは現時点で整理しています。

 

私たちのできるソーシャルアクションの一つとして、「みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議」を各地で開催し、子育て当事者の悩みや「こうなったらいいな」という声を集めてまとめて、行政の方も交えて一緒に考える活動をしています。前身は「よこはま子育てワクワク作戦」というもので、横浜市が子ども・子育て新制度を運用する前年の2014年に、子育て当事者の声1562件を集めたことに端緒しています。ワクワク作戦で集めた多数の声を、横浜市の子育て政策の9つの柱ごとに分類して「葉っぱ」の形の9色90枚のカードにまとめたのがワイワイ会議のシンボルでもある「葉っぱ」です。

 

ワイワイ会議の中で出た一人の声は、もしかしたら同じような悩みを抱える人の声なき声の代弁かもしれない。少しでも多くの声を集めて、横浜での子育てが個々人にとってよりよいものになるよう、みんなができる一歩を考えていきたいと思っています。

ワイワイ会議のシンボルでもある「葉っぱ」のカード。9つの色ごとに横浜市の子育て支援政策の柱を割り当て、子育て当事者の「声」を貼り付けた。自分の「今」の気持ちにもっとも近いカードをピックアップして語ることで、子育てへの声を集めやすくする

 

2018月1月15日に象の鼻テラス(横浜市中区)で開催した「子育て当事者によるソーシャルアクション見本市プレイベント」では、私たち実行委員会メンバーがそれぞれの活動を紹介し、参加者として来場してくださった横浜市内の子育て当事者団体とつながる機会になりました。

 

重度のアレルギーを持つお子さんの育児中に、地域子育て支援拠点に救われて、「まちに恩返しをしたい」と始めた地域活動。大倉山おへその小松さんは、「子育てに必死すぎて自分の内側しか見えなかったけれども、自分と子どもの心地よい居場所を探していて出会った地域には、外側を向くきっかけをもらった」と話しました。

 

「人間はチンパンジーとは違って、いろんな人の手を借りるように生物としてできている」と、こまちぷらす代表の森さんは話します。「子育て中に感じたぽっかりとした穴を、母親が一人で抱え込む状況を、この先、子どもたちに残したくない。そう思って多様な人が混じり合うカフェを始めて、それからウェルカムベビープロジェクトなど、さまざまな活動に展開していきました。活動を通して私はあの孤独感は何だったのか、とその“ことば”を探しているんじゃないかな、と思う」

 

鶴見区で子育て情報がぎっしり詰まった「ままっぷ」を作る今井幸子さんは、ワイワイ会議によって他地区の仲間ができたことで、ままっぷのNPO法人化を決意したといいます。「母であり、妻であり、個人でもある女性が、ままっぷをつくることで地域の役に立つことのできる、ワクワクするプラットフォームをつくりたい。母であることの視点が社会の役に立つ、そんな自己有用感を持ってくれる人を増やしたい」と語りました。

 

こうした、メンバーの活動一つひとつは、それぞれの子育てにおいて困ったことや、抱えた孤独感などからスタートしています。仲間をつくりながら地域の中で広がり、つくってきた成果は自分や自分の子どものためだけでなく、「同じようなつらい思いをする人を減らしたい、誰かの役に立ちたい」と、もう少し先の未来を生きる親や子のためを思って活動を続けています。こまちぷらすでは「恩送り」という仕組みで、自分の子どもや直接の友人ではない人のために、1杯のドリンクを「贈る」という取り組みをしていますが、そんな風に、「次に子育てをする人」のために子育てしやすい社会をつくっていくために、子育ての土壌に関わる多様な人たちを巻き込みながら、少しずつチャレンジしていくことが「ソーシャルアクション」なのではないかな、と、仲間たちの話を聞きながら感じていました。

プレイベントで登壇したのは、ワイワイ会議実行委員会のメンバー。その話を受けて感じたことや、自分ができることを、参加者同士で語り合った

 

4月20日には、日本大通りに面する神奈川県住宅供給公社の本社ビル1階にオープンする「居場所」をベースに、「子育て当事者のソーシャルアクション見本市」の本番を開催します。第一部は参加者に「みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議」を実際に体験してもらい、各地でワイワイ会議を主催するためのポイントをお伝えします。マニュアルや「葉っぱ」をダウンロードできる方法も参加者に向けて公開します。

 

第二部は横浜市でソーシャルアクションをしている「子育て当事者」にそれぞれの活動を話してもらう、文字通り「見本市」となります。

 

自分の地域でもワイワイ会議をやってみたい! 横浜の子育て当事者ネットワークとつながりたい! 私もソーシャルアクションに踏み出してみたい! という方のご参加をお待ちしています。

 

プレイベントでは「私のソーシャルアクション」を書き出して、それをツリー状に飾った。4月にはソーシャルアクションの木がどんな風に枝を広げていくのか楽しみ

Information

「子育て当事者のソーシャルアクション見本市」

日時:2018年4月20日(金)10:00-13:00

定員:30名

参加費:1000円

会場:神奈川県住宅供給公社(横浜市中区日本大通33)

主催:みんなで話そう!よこはまでの子育てワイワイ会議実行委員会

 

イベント参加チケットはこちらからお申込みください。

https://yokohamamihonichi.peatix.com/

北原 まどか
この記事を書いた人
北原まどか理事長/編集長/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
カテゴリー