『たまプラーザの100人』にご登場いただくサカイ優佳子さんは、乾物や米粉を使ったレシピの開発や食育、そして近年ではパン屋さんとコラボして“乾物ドライカレーパンプロジェクト”を立ち上げるなど、精力的に活動されています。

※“乾物ドライカレーパンプロジェクト”とは、乾物を使ったカレーパン1個の売上げにつき10円が、砂漠化が進む内モンゴルに杏の苗を植樹する活動に寄付されるという活動です。

凛とした美しさと気さくさが同居するサカイさん。たまプラーザの緑溢れるご自宅では、サカイさんの料理教室やさまざまなイベントが開催されている

そんなサカイさんを取材したのが今年の６月。かなり緊張をしながらもご自宅を訪れたことを覚えています。取材では、サカイさんご自身のこれまでの多岐に渡る活動や、その中での地域との関わりについてお話を伺いましたが、その中で昨年からは女性の「はじめの一歩」を応援する「ひとなりプロジェクト」を始めていることを知りました。そして、今回、このプロジェクトの中で、私・清水がチーズ講座を開くことになったのです。

「ちょっとしたきっかけがあれば、人は変わることができる。

背中をそっと押してもらったら、初めの一歩が踏み出せる。

となりに人が同じ方向をむいて寄り添って立っていてくれたら、新しいことを始める勇気がもてる。

初めの一歩がたくさん生まれる場を作りたいのです。

かつて私がそうして初めの一歩を踏み出したように。

いくつになっても、今がどんな状況でも、夢をみたり、新しいチャレンジをするって、素敵なことと思いませんか？

そんなチャレンジを自分がしていたら、他の人がチャレンジする姿をみて、応援したいって心から思えると思うのです。

そんな思いに共感してくれる人の輪を紡いでいきたい。」

（サカイ優佳子さんホームページより抜粋）

「ひとなりプロジェクト」とは、以上のようなサカイさんの想いから誕生し、これまでにもたくさんの方の講座が開かれています。ご本人からこの話を伺い、“人の輪を紡いでいきたい”というその想いにとても共感し、気づいたら私自身のことや、趣味でもあるチーズやワインの話をしていました。

私事ではありますが、私には、次のような夢があります。

「自宅に、人が気軽に集える“集会所”のような場をつくりたい。手を動かしながら、お喋りしながら、一つのことを一緒につくりあげていく過程を楽しみたい。そして、その時間を通じて、知らずに社会や人とのやわらかなつながりを育むことができたら……」

取材者という立場で訪れたものの、帰る頃にはすっかり逆の立場になっており、気がつけばあっという間に、まるで背中を押されるかのように、今回のチーズ講座の話が決定していました。

サカイさんの姿をみていると、その発想力、行動力、そして「即断即決」の潔さを強く感じます。夢を語ることももちろん大切ですが、まずは一歩、手探りでもいいから「前に進んでみようかな」と思える自分がいることに気が付きました。今回、本の取材という形でサカイさんと出会い、そして訪れたこの機会に心から感謝します。

チーズを囲みながら、集まった皆さんと「チーズと人」の輪を紡いでください

さて、今回のチーズ講座では、私がチーズにはまるきっかけをくれた、そして、今でも最も好きなチーズである「コンテ」に焦点をあて、食べ比べをしていただきます。

ひとくちに「コンテ」といっても、その風味は作られた季節や地域、熟成期間などによってさまざまな個性を持ったものへと変わっていきます。ミルクのやさしい味わい、ハーブのような草花の風味、ほっこりとした栗のような食感……。

開催時期は9月、チーズやワインがそろそろ恋しくなる季節です。チーズに合うワインとパンも揃えて、お待ちしています！