天気予報を見るたびに心臓が高鳴り、1日に数回、スマートフォンをのぞき込んではため息……。11月23日の天気は、曇りと雨マークがずっと消えず、不安な一週間を過ごしていた北原です。とはいえ、3回目の開催となる今年は、前日までの準備と当日の段取りに目処がついていたため、「人事を尽くして天命を待つ」という心持ちで、意外と落ち着いていました(初年度は緊張のあまり1週間ほど眠れない日々だったのです)。
朝6時に藤が丘駅前公園に集合すると、ボランティアスタッフの方が続々と集まってきました。ウィズさん、商店会さん、Waveよこはまさん、ボランティアのみなさんの協力で、わずか30分ほどでタープの設営はほぼ終了しました。
レンタルテーブルや店舗名を記したサインの設置、ウィズさんが用意してくださった看板やフラッグでの装飾、ステージの掲示など、それぞれが分担して仕事を進め、朝8時に出店者のみなさんが搬入を始めると、一気にマルシェモードが高まります。
スープやカレーなどを提供する飲食店舗は、リユース食器のデポジットの説明、マイ食器クーポンの配布など、オペレーションが大変な面もありますが、ボランティアスタッフのていねいな説明のおかげで、大きな混乱もなく、3年目にしてお客様のリユース食器への理解も進んできたように感じます。
10時15分からのステージは、リユース食器の説明や、3R(Reduce=排出抑制、Reuse=再使用、Recycle=再生利用)の普及啓発のために、Waveよこはまさんに担当してもらっています。◯×クイズは子どもたちに大人気! 「3Rの優先順位」や、「世界でいちばんCO2を排出している国は?」など、クイズへの正答率が高く、環境教育が浸透していることを感じさせます。
毎年、少しずつ、新しいチャレンジを増やしている「あおばを食べる収穫祭」ですが、今年はリユース食器の回収を子どもたちに依頼し、汚れた食器を古布で拭く説明や、リユース食器の貸し出しデポジットの100円を返却する仕事を担当してもらいました。みんな、表情は真剣そのものです。同じ回収作業でも、子どもがおこなうと、お客様も笑顔で対応してくださるような気がします。
今年は、マイ食器持参者も増えてきました。昨年は14%の持参率でしたが、今年は18%に増え、「お祭りに、マイ食器」というスタイルが少しでも広がれば、と思います。お客様のリユースへの意識が変われば、お店も必ず対応してくれるからです。
そして、今年も、イベント全体で出たごみはわずか1袋でした。もちろん、出店者の方がご自身の店舗で出したごみは持ち帰ってくださっているからこそでもありますが、ごみ箱が必要のないイベントは、やっていて清々しく気持ちよいものです。
ごみを燃やすエネルギー、燃やすためのコスト(税金)、子どもたちが大人になる頃の地球環境予測……。経済と環境の天秤では、常に不利な立場に追いやられる「環境」ではありますが、森ノオトではあくまでも「リユース=未来世代への思いやり」をコンセプトに選択肢を提供していきます。
今年の「あおばを食べる収穫祭」では、たくさんのうれしいシーンを目撃しました。出店者、来場者のみなさん同士の交流が、会場のあちらこちらで見られたことです。
もう一人の主催者・コマデリがまさにそれを体現し、プレイヤーの皆さんの食材を使ったコラボメニューが好評を博していました。ベジのミコト屋とソーセージのシュタットシンケンさんの握手や、日頃からご近所の藤が丘商店会さんがお互いのお店をサポートし合ったり、出店者として高校の同級生同士が感動の再会を果たすシーン、リユースカップを持ってほかのお店を食べ回るプレイヤーの姿……。「今度お店に行ってみます!」というお客様の声。
イベントという非日常が、「地域」だからこそ日常に落としこまれる。そんな可能性を目の当たりにして、地域の方が「地元のお店でお買い物するっていいな」と感じるライフスタイルを創っていきたいと思います。
あおばを食べる収穫祭は、来年も11月23日(祝)に開催します。来年は水曜日。今から予定を空けて待っていてくださいね!
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