地震から家族と財産を守るために!我が家で今日からできること。 3/3(土)、ワークショップ開催!
東日本大震災から間も無く7年。今後30年以内に大地震が首都圏を襲う可能性が70%以上と言われているなか、家庭でできる防災対策について、耐震の専門家でもある大丸建設の安田佳正さんをお迎えしてのワークショップを3月3日(土)に開催します。安田さんに、住まいの備えについてインタビューしました。

大丸建設の安田佳正専務。東日本大震災直後に被災地入りし、建築の専門家としての被災地支援をおこなった

 

森ノオトですっかりおなじみになった東京・稲城市の地域工務店「大丸建設」。専務取締役の安田佳正さんは、木造住宅の耐震のスペシャリストです。東京都の応急危険度判定員の資格や、木造耐震診断資格者などの資格を持ち、国土交通省の耐震診断講習会の講師を務めるなど、多彩な経験を持つ安田専務は、東日本大震災直後に被災地入りして、木造建築の専門家ならではのボランティアをしてきました。

 

「東日本大震災で私が現地入りした時には、ほとんどの家が津波で流されていて、街が消滅しているという印象でした。RC(鉄筋コンクリート造)の建物がかろうじて残っていて、それも窓が破れていたり、見る影もなかったです。ただ、内陸部では揺れが強かったわりに被害は少ないようでしたが、崩れかけた家をみた印象では、2階の重みが1階を押しつぶしているものが多かったです」(安田専務)

 

東日本大震災はプレート型(海溝型)で、海溝(プレート)がずれたりぶつかる時に起こる長周期振動の地震でした。安田専務は「実は木造住宅は長周期地震には比較的粘り強く耐える性質があります。直下型の地震の方が揺れ方が激甚で、強い力が一気にかかるので、耐震性の低い家では倒壊が心配です」と話します。

 

東京でも近い将来に70%以上の確率で見舞われるとされる、首都直下型大地震。1981年以前に建てられた木造住宅では耐震補強に補助金がおりることが多いですが、それ以降に建てられた住宅にも、耐力壁や柱の配置バランスが悪い「グレーゾーン」があり、油断は禁物です(2017年8月の記事参照)。しかし、予算が見合わずにすぐに耐震改修をできなかったり、集合住宅に住んでいる場合は、どのような方策があるのでしょうか?

 

大丸建設の住宅。東日本大震災の時、安田専務は建築中の現場にいたが、「大丸の家は強いと感じた。その後もしっかりと建っている」と自信をのぞかせる

 

「備えあれば憂いなしなので、耐震性が心配な建物では、耐震補強をする方が絶対にいいです。ただ、その家が地震に強いかどうかは、地盤や、その時の揺れ方によっても変わるので、建物を強化することに加えて、住まい方や、普段からの行動で防災を心がけるといった“ソフト面”での対策も必要です。東日本大震災や阪神・淡路大震災クラスの地震に見舞われたら、おそらく大人でも立っていられないほどの揺れになると思います。その時は冷静な判断を欠いてしまいがちなので、まずは命を守ることを最優先してください」と安田専務は言います。阪神・淡路大震災での揺れは30秒ほど、東日本大震災は最も長いところで3分10秒の揺れだったとのことです。大地震でも、いったんは必ず揺れが止まるので、そこまでの時間はともかく集中して、命を守ることを心がけてください。

 

「揺れが止まったら、次の余震までの間に“命を守る”ための行動をします。今は室内で被災した想定で話しますが、地震によって建物がゆがんだり崩れる可能性もあるので、まずは“逃げ道を確保する”。具体的には、玄関の扉を開ける(靴やスリッパ、ダンボールなどをはさみます)、室内の扉も開けておくことです。動線を確保してから、避難グッズや貴重品を用意して、いつでも外に逃げられるように準備します」(安田専務)

 

逃げ道を確保するためには、実は普段から整理整頓が大切で、例えば個室から入り口までがモノでふさがっているようでは、いざという時に素早く逃げることができません。また、食器棚などが通路上にあると、割れたガラスで逃げ道がふさがってしまうことも考えられます。動線を考え、特にガラスや陶器などの製品は通路上には置かないようにするなど、インテリアを見直すことも必要です。

 

安田専務は、「防災用に家具の固定グッズなども販売されていますが、それを有効にするには壁や天井にしっかりと固定されている必要があります。しかし、ただ固定して満足してしまうケースも多く、本当に転倒防止に効果があるかどうかは、家の構造との関わりを理解していないといけないケースもあります」と指摘します。

例えば、天井で止めるつっぱり棒。こちらは、突っ張っている先の天井がただのボードの場合は、あまり効果がないそうです。「ちゃんと野縁や下地があるところに止まっていないと、下地が浮いて意味をなさなくなりますよ」と、安田専務。

 

ワークショップ当日はこの模型を使って、“本当に効く”家具の固定について体験してみる

 

 

こうした、安田専務の専門家ならではの知見を踏まえて、3月3日(土)に「今すぐ家で応用できる地震対策ワークショップ」をエスポワール松風台集会所で開催します。

木造住宅の耐震構造や、地震の揺れ方についての基本的なレクチャーなどを踏まえて、大震災から家族と財産を守るための様々な方法について、安田専務を囲みながら、参加者全員で考え、語り合います。実際に家具の転倒防止アイテムの取り付け方を体験することもできます。また、当日は家に帰ってからすぐに実践できるチェックリストをお持ち帰りいただけます。

 

東日本大震災から7年、「大地震から家族と財産を守る」ためにできることを、今一度考えてみませんか。

 

 

Information

大丸建設「今すぐ家で応用できる地震対策ワークショップ」

日時:2018年3月3日(土)10:00〜12:00

会場:エスポワール松風台 集会室

(横浜市青葉区松風台14-1 東急田園都市線青葉台駅より徒歩9分)

http://kazokukichi.com

 

参加費:1組500円(保険代、道具レンタル代として)

 

お申し込み・お問い合わせ:

参加者全員の氏名、生年月日(保険のため)、住所、電話番号、メールアドレス、参加の動機を記入のうえ、event@morinooto.jpまでお申し込みください。

 

主催:NPO法人森ノオト

共催:株式会社大丸建設

 

株式会社大丸建設

http://www.kk-daimaru.co.jp

住所:東京都稲城市大丸71-2

TEL 042-377-4441

E-mail info@kk-daimaru.co.jp

 

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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