すでに当たり前になっているゴミの分別や、これからの生活に欠かせないエコバッグの利用、最近増えてきた脱プラスチックストローなど、「エコ」=「環境に配慮した活動·行為」は私たちの暮らしの中で身近なものになってきましたね。
地球環境の危機が叫ばれるようになって久しく、生態系に深刻な影響を及ぼしていることがわかったマイクロプラスチックの話題もよく耳にするようになりました。
エコな生活、したほうがいいよな、しないといけないな…と漠然と思ってはいても、いざ「エコな生活をしていますか?」と聞かれると、自信をもって「はい!」とはとても言えない、エコ意識低めな私。マイバッグを持ち忘れることもしばしばです。
「地域で見つけるエコの種」とうたっている森ノオト。「みんなマイ箸やマイ水筒をいつも持ち歩いているのかな」「すぐにエアコンやストーブつけちゃいけないかな」と、少しの罪悪感と後ろめたさを抱えて、森ノオトライターそれぞれの「私のエコ」をオンライン上で教えてもらいました。すると、頑張らないといけない、何かいいことしないとけない、という私の先入観を軽やかに超えた暮らしのエコの数々が集まりました。
そんな、私の肩の力を抜いてくれた森ノオトライターの「私の暮らしのエコ」を紹介していきます!
おいしくフードロス対策! その1:余った野菜はぬか床へ
さすが、食いしん坊がたくさん集まる森ノオトライター。
食にまつわる話題がたくさん集まりました。中でも多かったのが、なんとぬか漬け!ぬか漬けがエコだったなんて!と、目からウロコが落ちました。
「私は、フードロス対策としてぬか漬けを活用しています。独身時代、残業や急な予定で野菜を食べきれないことが多くて、ぬか床に入れたらいいって気付いて。
サラダで半分使ったきゅうりや微妙に残った人参、キャベツなどなど、迷わずぬか床へ。ぬか床も冷蔵庫に入れれば、漬かり具合を調整できるし、古漬けもおいしいです」(畑道代さん)
手間ひまかけた方がいいのでしょうが、混ぜない日もあったりと適度に手を抜きながら、なんとかれこれ15年くらい(!)続けていて、家族にも好評だそうです。
そして森ノオト編集長の北原まどかさんも、今まで何度もトライしたけど続かなかったぬか漬けを、新型コロナウイルスによる自粛期間中に再開したとのこと。
「きっかけは、桜台交差点のところにある八百屋さん『鴨清』さんがお店を再開したことです。10年以上前、雑誌『田園都市生活』のライターをしていた時に鴨清さんを取材して、銀座時代から100年続くというぬか床をかきまわしていたおばあちゃんが印象に残っていました。その時ぬか漬けを求めたのですが、すっぱうまい!」
そんな鴨清さんが高齢を理由に店をたたむと知って、残念に思い閉店前に挨拶に行ったというまどかさん。ところが、コロナで鬱々としていた桜の季節に鴨清さんが開いていることに気が付いたそうです。
「おじいさんが『80歳になってしんどいから店閉めたんだけど、みんなが開けてくれ、開けてくれっていうからよ』と言って、再開したとのこと。今、不定期に木・金曜日と、たまに土曜日に開けています。
ぬか漬けも以前の通り売っていて、やっぱりすっぱうまい。鴨清さんで買うたびに、自宅で精米して出た米ぬかとちょっとの塩を足して混ぜていたら、ちゃんとぬか床になっていました。自宅で余った野菜を漬けて、時々鴨清さんで買ったぬか漬けを入れて混ぜて……ちょっとずつわが家の味になってきました。フードロス対策、野菜の救出作戦に、ぬか漬けは最強ですね」(北原まどかさん)
そして中島裕子さんもコロナ自粛期間中にぬか漬けを始めた一人ですが、ぬか床に入れる前に野菜を“ちょい干し”するそうです。
「私は自粛生活で、ちょい干し野菜を始めました。朝野菜を切って干して夕飯に使うちょい干しでも、栄養価が上がるし、何より夕飯づくりのハードルが下がるとわかりました。
ちょい干しついでに、ぬか漬けも始めました。スーパーのチャック袋のぬか床に、ちょい干し野菜を漬けています。水分が抜けているせいか、漬かりが早い気がします」
これまで使い切れない野菜は庫内で腐らせて自己嫌悪することがよくあったのが、ちょい干しのおかげで、冷蔵庫の野菜を食べ切ることができるようになってフードロスが格段に減ったそうです。
「今ではきゅうりを3本買ったら、とりあえず朝まとめて切ってしまいます。朝食で食べて、残りは全部ちょい干しし、夜ちょい干しきゅうりで浅漬けをつくったり、肉と炒めたりします」(中島裕子さん)
ぬか床は、余り野菜の救世主!早く使い切らないと……という気持ちも軽くしてくれそうです。ゴミ箱に捨てる前にぬか床へ。ぬか漬けが好きな人にはぜひおすすめしたいエコです。
おいしくフードロス対策! その2:自分で育てる
フードロスを減らすという意味では、家庭菜園をしているというコメントも届きました。
「香菜、バジル、しそは買うと冷蔵庫に忘れちゃうことが多かったので、今年からは植えて使う分だけ摘み取ることにしました。2階で育てると虫もつきにくいことがわかってよかったです」(山田麻子さん)
香味野菜は少しだけ使いたいときもよくありますよね。フードロスを減らす目的だけでなく、収穫しなくとも目を楽しませてくれるし、自分で育てたものをその場で摘み、新鮮なものが食べられるというのはとても豊かな生活だと思います。
新楽津矢子さんもぬか漬け生活を楽しんでいるそうですが、今年はぬか漬けにもってこいのきゅうりを植えたそうです。解体したウッドデッキでプランターを作り、西陽の強い台所のグリーンカーテンを兼ねているというから、まさにエコの連鎖です!
そんな津矢子さんが意識しているのは、種から育てるということ。
「きゅうりもそうですが、種だと安いし、量も多い。他にも子どもが小さい頃、公園で拾ってきたどんぐりから芽が生えたものや、いただきものの柑橘類の種を植えたものなどを育てています。時間はかかるけど思い出とともに成長を楽しめていいです。どんぐりは大きくなるのでこの先どうしようか、悩み中ですが…」
「無駄にするとかわいそうだし」とのことばにも、植物への愛情を感じます。その姿に、無理にエコしようと肩肘張らなくても、植物や食べ物への感謝や慈しみの心があれば、自然とエコにつながるのだなぁと実感します。
おいしくフードロス対策! その3:生ごみはコンポストへ
村上亜希枝さんも家庭菜園をしている一人ですが、最近コンポストを導入したそう。
「植物栽培のセンスがないから避けていたのですが、ちゃんと向き合えば植物はちゃんと育つんだなあ、かわいいなあと思って、癒されています。特に実のなる野菜(果物)を育てるのは楽しくて、ちょっとずつゴミになる野菜くずを庭に埋めるようになりました」。
千葉市在住の亜希枝さんは、コンポストの購入に市の助成金が出ることを知り、つい先日購入したそうです(※横浜市では、生ごみコンポスト及び電気式生ごみ処理機への助成事業を平成28年3月をもって終了しています。助成金については各自治体へお問い合わせください)。
すると、コンポスト生活を始めようとしている亜希枝さんに応えるように、ステイホーム中にコンポスト生活を再開したという船本由佳さんからもコメントが届きました。
「3年ほど前に離乳食·幼児のムラ食べなどに悩まされ、食べ残しを捨てるのも忍びないということでわが家にコンポストを導入しました。冬になって菌の活動が落ち着いてきたら分解処理能力が遅くなり、そのまま休眠させていました。再開したいと新しい土を購入したものの忙しくてそのままにしていましたが、このたび再開しました。
やることは、ひっくり返すとことと、生ごみを細かくして毎日適量を投入することの2つ。離乳食時期と違って、入れるものがドロドロじゃない(野菜の切れ端とか軸や皮など固形物になる)ので分解は遅いです。コンポストを宅内で活用するのには、心配ごととして『匂い』『カビ』『虫がわく』という点がありますが、今のところ匂いも少なく、毎日かき混ぜるのでカビはありません。虫が来るのは今猛烈に防ぎ中です」
コンポストを家の中で使えるということにも驚きましたが、一度休止して、自分のペースでまた再開することもできると知ると、私も始めてみようかなという気になってきます。
さらに、こんな意見もありました。
「数年前に、生ゴミを家庭菜園の肥料にしようとコンポストを手に入れたのですが、これが電気を使って処理するもので。結果電気代が上乗せされてしまい、これではむしろ本来の意味を果たしていないのでは?とモヤモヤしていました」(松井ともこさん)
コンポストには電気を使うものもあれば、ダンボールで手軽に始められるもの、密閉型で室内に置けるもの、庭など土の中に一部埋めるものなど、様々な種類のものがあります。導入の際にはどのようなものが良いかよく調べる必要がありそうですが、それぞれの生活に合ったものを選ぶことができるとも言えますね。
またコンポストではありませんが、忍者ライターの小池邦武さんは、
「忍者農園では米ぬかを肥料に使っています。コイン精米所には精米した際に米ぬかを持ち帰ることができるコーナーがあるので、忍び込んでは有難く頂戴しています」とのこと(※コイン精米所の米ぬかの扱いは、各精米所のルールをご確認ください)。
ご存知、米ぬかとは精米するときに出る玄米表面の外皮や胚部分の粉のことで、栄養素が豊富に含まれています。たけのこを茹でるときのアク抜きでお馴染みですが、そのまま肥料にもなりますし、ぬか床にもなるほか、食器の茶渋や調理器具の油汚れを落とすのにも有効だったりと、様々に活用できます。
毎日食べる食事。フードロスを減らすことは、生活する上でとても身近にできるエコであると気が付きました。
買いすぎて使い切れない野菜をプレッシャーに感じたり、結局捨ててしまうことに申し訳ない思いをするくらいなら、ゴミ箱へ入れる代わりにぬか漬けを活用したり、コンポストを用意して土に還すことで少し気持ちが軽くなりそうです。
環境にいいことをしなければと義務感や使命感に突き動かされるのではなく、無理なくできることから、できる範囲でやってみることが楽しく続けるコツなのだなと思いました。
私たちの暮らしのエコ【たのしく編】へ続きます!
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