わたし時間とかぞく時間のいい関係。3人子育て中の菜穂さんが送迎シェアを体験してみました
中学生、小学生、幼稚園児と3人のお子さんを育てる苗代田菜穂(のしろだ・なほ)さん。小児対象の作業療法士という仕事をしながら、お菓子作りや裁縫も得意で、いつもふんわりとした笑顔で心をほぐしてくれます。子育てに仕事に趣味に、多忙な菜穂さんに子育ての送迎時間を豊かにするタクシーシェアアプリを体験してもらい、暮らしや子育ての話をお聞きしました。(photo:齋藤由美子)

3人子育ての時間の悩み

 中学生、小学生、幼稚園児と、生活時間のまちまちな子どもたちのいる苗代田家。菜穂さんは、長女の習い事の役員として奔走したり、末っ子の気持ちをくんで週に一度は早めにお迎えに行ったり。真ん中の子とはあえて2人で過ごす時間をつくる工夫をしたり。専門職の仕事をこなしながら、家族との時間も大事にして、カレンダーがパズルのような日々を送っています。 

「時間がないときにイライラする」とわかっているから、あれもこれもと詰め込みすぎずに、手放すことも心がけているそう

そんな菜穂さんにとっての鬼門が、雨の日。駅から2キロほどの距離にある住宅地で暮らす菜穂さんは、末の息子さんが駅前の幼稚園に通っています。送迎はいつもは自転車ですが、雨の日はバスで駅まで向かい、それから歩いて幼稚園まで連れて行きます。普段より倍近く時間がかかるので、「その日は朝からまいていかないと間に合わないから、前日から天気予報を気にしているの」。そんな話を聞いて、子育て中の友人同士でタクシー送迎をシェアするアプリ「タクアス」を紹介してみました。横浜市青葉区、港北区、鶴見区で10月下旬にテストサービスを始めていて、青葉区で暮らす菜穂さんも早速何度かお友だちと使ってみたそうです。 

前日までにアプリを通じて友人と誘い合ってタクシーを予約する。2組の親子で一緒に乗ったり、片方の親が友だちの子を一緒に乗せたりして使います

 菜穂さんが誘ったのは、同じ幼稚園にお子さんが通っている、近所に住むお友だちです。二人とも電車を使って通勤する日があり、雨の日は、お互い緊張感をもってその日を迎えているそうです。菜穂さんは雨の日はバス派ですが、お友だちは雨の日に自転車で連れていくことも。どちらにせよ、雨がっぱを着せてヘルメットをしたり、子どもの分の傘も用意して濡れないようにしたり、バスで傘を閉じたりと、雨の日はあれこれ気を使うもの。送迎だけでどっと疲れます。 

 

 

雨の日の送迎も気持ちは晴れ! 

 最初は晴れの日に試しに使ってみて、「これは雨の日に使えるといいよね!」と、と菜穂さんはお友だちと話し合っていたそうです。天気予報を眺めながら、友人とLINEで「この日雨っぽいから使ってみない?」とやりとり。前日までにタクアスで予約を取り、当日朝は自宅でタクシーを待つのみです。菜穂さんの家に最初にタクシーが到着し、友人の家を経由して幼稚園まで向かうというルートでした。 

雨の日の前に、試しにタクアスを使ってみた日の様子。普段はなかなか準備が進まない息子さんも「今日はタクシーだよ!」のひと言で、ささっと身支度をこなしていたのだそう!

実際に使ってみて、いつも忙しなく感じる雨の日の送迎時間が、逆に「優雅」に感じたそう。「家の前にタクシーが来てくれて傘もささずに、濡れた傘も持たずに行けるなんて!いつもの雨の日とは真逆の穏やかな気持ちで出勤できたね」と、一緒に使ったお友だちと話していたそうです。また、子どもたちが喜んでいたのはもちろん、大人同士も車中や降りてからの駅までの道中をともにして「友だちと一緒に通勤するのって新鮮だね」と言葉を交わし合っていました。 

 

 

子育てを通して開けた新しい扉 

結婚、出産、育児を経て、自分ひとりから夫婦二人、そして子どもたちも加わり、時間軸が自分だけのものではなくなっていきます。そんな中で、時間の使い方も家族との時間も、自分らしさを探して選んできた菜穂さん。 

築40年ほどの中古住宅をリノベして暮らしている。壁や天井を塗ったり、床板を張ったりと、夫婦で手を動かして育てている家

菜穂さんは大学卒業後、小児を対象にした作業療法士として働き始めます。高校生や大学生のころに思い描いていた、「バリバリと働くキャリアウーマン」という道を、まっすぐに進んでいきます。職場環境にも恵まれ、仕事が暮らしの真ん中にあった菜穂さんの転機は、就職して3年目に迎えた結婚でした。 

 

「なんとなく良き妻っていう思いがあったのかな。家のこともちゃんとやらなきゃ、っていう思いが強くて。私には両立が難しかった。それでも夫婦2人ならなんとかなったけど、子どもが生まれた後のことを考えると、さらに慌ただしく過ぎていくなあと思ったの」。職場で子どもたちと接していて、子どもがどんどん成長していくことを間近に見ていた菜穂さん。わが子の成長をずっと見ていたいという思いから、長女を出産する前に仕事を辞めて、しばらく専業主婦として過ごします。 

実家ではいつも花が飾られていたそう。家庭を持つようになって、 菜穂さんも自然と花のある暮らしを心がけるように

 

自分の居場所 

初めての子育ては、新しい世界の扉を開いてくれました。区の母親教室で出会ったお母さんたちと家を行き来したり、近所の人と仲良くなったり。地域での暮らしがどんどんあたたまっていきました。長女の成長とともに少しずつ仕事を再開するものの、第二子の出産前に退職し、第三子の出産を経て、今の職場で仕事を再開するまでに、5年ほどのブランクを経験します。 

取材中に「ただいまー」と帰ってきた小学生の息子さんに、手作りのおやつをとりわける。息子さんからはお母さんそっくりの笑顔がこぼれていた

 あせりはなかったの?とたずねると、「結婚や出産をして違う世界を知って、そっちにも居場所があったから。子育てや家のことが好きだなって気がついたんだよね」。3番目のお子さんが生まれた時に10か月の育児休暇をとった旦那さんもまた、今は非常勤の働き方にシフトチェンジ。「子どもたちが帰ってくる時間に、どちらかが家にいられるから。仕事を増やすのは今じゃないかな」と、「2人で週5」という苗代田家らしい暮らしを営んでいます。 

子どもたちの作品がリビングのあちこちに愛おしそうに飾られている

仕事では「プロ」として子どもたちの成長を見守り、親子に寄り添っている菜穂さん。「でもね、自分の子育てだと、わかっていてもやっちゃうことはあるよね」と穏やかに笑います。 

 

思うようにいかずに落ち込んだり、やってしまったと反省したり、子どもに言いすぎてしまったり……。 

 

「時間が解決してくれる、っていう言葉を聞くけど、私は一人で時間を過ごしていても元気は出なくて。友人に会って話を聞いてもらったり、夫婦会議もよく開くの。考え方の違う夫と話すことで、自分の子ども時代と比べていることに気がついたり…」 

 

「大事なのは絶対に“人”だなって思ってて。時には専門家とか、自分の暮らしと全然関係のない人に会いに行って話したりするのもいいと思う」。落ち込んだときにどう乗り越えたらいいかなと、ぽつりとこぼすと、そんなふうに答えてくれました。 

菜穂さんが小さいころ、いつもお母さんがおやつを作ってくれていたのだそう。作業療法士の仕事とは別に、焼き菓子屋さん「菓子屋マル」としての活動もマイペースに続けている

 

雨の日の送迎の時間をだれかと分かち合うことで、慌ただしさから心地よさへと心持ちが変わるように、子育ての困りごとへの選択肢が増えることで、日々の色合いは変わっていきます。送迎シェア?それもいいかも!と、お友だち誘って、暮らしをよりすこやかな方向に向かわせていくしなやかさに、菜穂さんらしさを感じました。 

 

送迎シェアを考えるようになってから、「毎朝見るあの子はご近所なのかな?」と、気にするようになったという菜穂さん。「これをきっかけに話しかけて、雨の日の送迎のねぎらいをし合ったり、子育てのちょっとしたこと話したりできたら、それは、何かを助けるとかじゃないけど、心は温かくなって、親子の日々に灯りをともすよね!」と明るく話してくれました。 

 

人とのつながりを大事にしながら、子育ての関係性に灯かりをともしていく菜穂さんに、私も背中を押される気持ちになりました。

Information

送迎シェアで子育てを豊かに。 

送迎シェアアプリ「タクアス」 

横浜市青葉区、港北区、鶴見区でテストサービス実施中 

登録はこちらから 

https://www.takuasu.com/ 

 

 

★森ノオトでタクアスの開発者インタビューと体験談を掲載しています。 

「助け合いで送迎の負担を和らげたい!子育て中のタクシーシェアリング「タクアス」が始まります」 

https://morinooto.jp/2021/11/12/takuasu/

「送迎はひとりでがんばらなくていい。子育て送迎シェアアプリ「タクアス」を利用してみました!」
https://morinooto.jp/2021/12/10/takuasumonitor/ 

この記事を書いた人
梶田亜由美編集長/ライター
2016年から森ノオト事務局に加わり、AppliQuéの立ち上げに携わる。産休、育休を経て復帰し、森ノオトやAppliQuéの広報、編集業務を担当。富山出身の元新聞記者。素朴な自然と本のある場所が好き。一男一女の母。
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