郷土色豊か!森ノオトライターのお正月料理あれこれ
まだまだ北風も冷たい日が続きますが、街の樹々は青空にくっきりと枝のラインを見せ、小さな蕾をつけて春の準備をしているのが感じられる季節になりましたね。はやひと月が過ぎた2025年。皆さんはどんなお正月料理で一年をスタートさせましたか?森ノオトメンバー6人の、お正月料理をご紹介します。

森ノオト編集部は2024年度、ライターそれぞれの関心毎に4つのチームにわかれて記事や企画づくりをしています。「ネイチャーコネクター」は「農、環境、食」などをテーマに据えて活動中。「考えてみたら他のお宅のお正月料理って触れることがあまりないね、どんな感じなのかしら?」というネイチャーコネクターでの話題をきっかけに、森ノオトメンバーがこのお正月に味わったおせち料理やお雑煮を集めた記事をお届けします。

 

家庭ごとにそれぞれの文化があるお正月料理、メンバーの家庭の味をのぞいてみました!

 

 

長野県の「くるみだれ雑煮」by富岡仁美

長野県出身の富岡仁美さんより、くるみを使った郷土色豊かなお雑煮です。

 

 

「雑煮自体は、白菜・ネギ・えのき茸の野菜たっぷりに焼きちくわ、なると、厚揚げを入れたつゆに焼餅を入れます。焼きちくわは長野県民御用達の『ビタミンちくわ』(昭和27年誕生の肉厚ちくわ)、出汁は、これまた長野県民御用達の『ビミサン』(醤油とかつお節のだしつゆ)で味付けます。

くるみだれは、『山くるみ』に砂糖・塩、そこに雑煮のだし汁を加え、すり鉢でよく擦ります。元々はすり鉢でやっていましたが、今はミルを使っています。

くるみだれは各家庭でとろみ具合はいろいろですが、うちはかなりこってりで、雑煮の汁で各自伸ばしながら、餅や具につけて食します」(仁美さん)

 

長野県の伝統料理や、手仕事を日々実践している仁美さん。くるみのディップをオンして食べるお雑煮!おいしそうです。

 

 

「大阪のお雑煮」 by醤野宏美

続いて帰省先の大阪のお雑煮を紹介してくれたのは、醤野宏美さんです。

 

 

「白味噌に丸もち、金時人参(輪切り)、正月大根(輪切り)、里芋(輪切り)、焼き豆腐(角切り)でした。

私は親が関東出身なのでお雑煮と言えばすまし汁に角もちをイメージするため、結婚してから驚いたのを覚えています。輪切りが多く全体的にかわいらしいなあと毎年思っています」(宏美さん)

 

丸か角か?!お餅の形にも地域性ってありますよね。結婚し、パートナーの家のお雑煮と出合うことで、日本の食文化の多様性を感じることも多いですよね。

 

 

「西京白味噌のお雑煮」by田中友貴

同じく関西の白味噌のお雑煮を紹介してくれたのは友貴さんです。

 

 

「関西を旅した際に出会ったお雑煮が好きで、この時期、家でも作ります。西京白味噌を使ったお雑煮。西京白味噌は米麹の甘さが特徴の白味噌です。味噌をお湯に溶き、かつお節をかけ、焼いたお餅を入れただけのシンプルなもの。麹の甘さが、冷えた身体を芯から温めてくれる気がします。

大根おろしやキムチ、錦糸卵や海苔をいれ、自分好みにしてもおいしいですし、お餅も入れずに味噌とかつお節だけでもおいしいです」(友貴さん)

 

とってもシンプル、アレンジの幅が広いのも魅力ですね!

 

 

お正月のキャンプ飯!青葉区地産地消のお雑煮 by北原まどか

この年末年始、家族で伊豆・修善寺まで年越しキャンプに出かけたというまどかさんからは、アウトドアでのレシピが届きました!

 

 

「北原家のお雑煮はできる限り地産地消の食材を用いています。

あらかじめ鶏もも肉を酒に浸けておいて、人参は薄切り(三澤総合農場のもの)、ごぼうはささがき、椎茸は十文字に切り、なるとを切り、三つ葉をちぎり、白髪ネギをこしらえておきました。

 

元日の朝に三つ葉とネギ(田奈・四季菜館)以外を保温鍋に放り込み、だしパックとめんつゆ(横浜醤油)を入れて一旦沸騰させ、その後保温鍋に20分ほど置いてできあがり。最後に、ネギと三つ葉、キャンプ場のゆずを散らしました。お好みで『金澤八味』(金澤八景リビングラボ製)や、柚子胡椒(made in 寺家)でいただきました。

今年の元旦は雲一つない快晴で、駿河湾と富士山がくっきり見える高台から初日の出を拝み、幸先のよい年明けでした♪」(まどかさん)

 

キャンプにお雑煮とは意外にも思えましたが、作りやすそうです。写真に写っているおせちは、大晦日の朝にマイお重に詰めてもらったコマデリさんの「コマロコおせち」だとか。青葉区愛に満ちたお正月のごちそうですね。

 

 

越後の冬の郷土料理「煮菜(にな)」by松園智美

新潟では冬の定番・郷土の家庭料理を教えてくれたのは松園智美さんです。

 

 

「使うのは、新潟県長岡地域のご当地野菜『体菜(たいな)』です。塩漬けにした体菜を用意し、まず洗って塩を落としたら、鍋に入れ水から茹で、2回煮こぼし塩抜きします。次に本格的に1時間くらい煮て、大豆を潰した打ち豆とスライスした油揚げ、だしを入れ、1、2時間さらに煮たら完成です。

周辺では、どこの家でも作る定番の家庭料理です。塩っけが効いていて、わが家は子どもたちも大好きです。

今回、母に初めて作り方を聞いたところ、塩漬けの体菜は、伝統的な保存食で、昔から地域の農家のお母さんたちの冬に向けた手仕事だったという話も聞けました」(智美さん)

 

雪深い地域ならではの保存食、食物繊維が豊富そうです。

 

 

静岡の味をアレンジ わが家のお雑煮 by柴山有花理

最後に、わが家でお雑煮と言えばこちら。

 

 

かつおだしにみりんと塩、お醤油。具は大根、里芋、お肉、京菜、そしてお餅。お肉は元日が牛、二日めは豚、三日めが鶏と三が日で変えていきます。具は下茹でしておき、崩れないように煮る程度。お餅も焼き餅が良い人、だらだら餅になるまで煮込むのが良い人、少し固めが良い人とそれぞれに対応します。ここにかつお節と糸青海苔、海苔を各人で好きなだけかけていただくのがポイント。

静岡の実家の味を引き継ぎつつ、今は自分なりのアレンジを加えています。おせちをいただいた後のお雑煮は、皆お餅よりも野菜多めのリクエストが多い、わが家のお雑煮です。

 

 

以上、森ノオトライター6名からの個性あふれるレポートでした。

きっと日本には家庭の数だけお正月料理があるのだと思いますが、地域性に富んだもの多く、改めておもしろいなと感じました。

この時期の食卓に一品新しく仲間入りさせたり、また来年、お正月の準備をする頃の参考にしていただけたらうれしいです。

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この記事を書いた人
柴山有花理ライター
娘との青空弁当、読書時間をこよなく愛す、静岡出身。社会人を経て、身体と食に興味を持ち栄養学を学ぶ。出産・子育て経験から、こどもの未来に食からアクセスすることの大切さを痛感。夢は、生まれる前からの食の記憶に働きかけること。
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