私には小学校2年生と2歳、2人の娘がいます。長女が生後2カ月の時から働いているので、ずっとワーキングマザー。妊娠中から保活をして、なんとか希望の保育園に入れたものの、長女が0歳、1歳のころはしょっちゅう熱を出して、保育園から呼び出しの電話にいつも頭を悩ませていました。当時青葉区には病児保育がなく、娘が病気になったら片道1時間のところに住む夫の両親に来てもらうとしても、朝早くからのアポイントメントはアウトだし、なんとかヘルプを頼んでも病気の娘のことが気になって仕事の集中力も下がり……。
そんなドタバタな長女の子育てから次女を出産するまでの5年半の間、我が家の子育て環境は抜群によくなりました。夫の両親が近所に引っ越してきてくれて、しかも青葉区に病児保育ができ、森ノオトを始めたおかげでママ友がたくさんできて、私の「横浜での子育て」は、実はとても幸せです。
一方で、森ノオトを通じてたくさんの子育て中のお母さんに出会うなかで、悲鳴にも似た声を多く聞いてきました。
「両親が近くにいないので、いざという時に頼れる人がいない」
「第一子の出産直後はママ友も知り合いもいなくて、産後に自分が体調を壊した時に頼れる人がいなくてつらい思いをした」
「求職中での保活では希望するところに入れず、駅からも遠いところに決まって、毎日の通勤がたいへん」
「子どもが小学校にあがってから、ダイナミックな遊びをしたい時期なのに、近所の目を気にしながら静かに遊ばなければいけないのがもどかしい」
こうした一人ひとりの声は、たいてい、心の内にしまいこまれて、語られることはありません。でも、声をあげることで、個人的な気持ちや経験にとどまるものではなく、同じような思いをしている誰かの課題を解決することにつながるのかも……。だったら、「横浜での子育てについて語り合える場をつくろう!」と、2015年から横浜市各地の子育て当事者のグループを率いる有志で始めたのが「みんなで話そう!横浜での子育て ワイワイ会議」です。
森ノオトでは今年2月と10月に、青葉区内でワイワイ会議を開きました。2月は森ノオウチで、子育て中のママさんを中心に。10月は青葉区で長年子育て支援をしてきた方が集まり、たまプラーザのWISE LivingLab.共創スペース(アライエセンター)で開催しました。
特に10月のワイワイ会議で感じたのは、私が横浜市民になってからの20年間、そして子育てを始めてからの8年でも、横浜市の子育てに関わる制度はずいぶん充実してきているということ。
例えば、就労の有無に関わらず1時間300円で子どもを預けることのできる「乳幼児一時預かり」を受け入れてくれる事業者は区内に4カ所あります。森ノオトのリポーターが子育てをしながらも地域でのプチ仕事に挑戦することができているのは、こうした制度を活用できているからです。
地域ぐるみの子育て支援として、地域に住むサポーターが子どもの送り迎えや預かりなどを助けてくれる有償のささえあい活動「子育てサポートシステム」には、我が家も長女が小さな時に利用しました。どうしても仕事が遅くなる時に近所のおばさんが長女を保育園に迎えに行ってくれて、その方の家で預かってくださるサポートで、一人でがんばらなくてもいいんだ、家族以外にも助けてくれる人がいるんだと、すごく楽になったのを覚えています。
青葉台駅前にある子育て支援拠点「ラフール」では、妊婦さんから子育てデビューのお母さんを中心に、いつでも子どもを連れて遊びに行けて、ママ友ができたり、子育ての相談もできます。
ほかにも、主に0-3歳の未就学児と保護者を対象とした「親と子のつどいの広場」は区内に5カ所あり、ママ友をつくったり、こどもをゆったりと遊ばせることができ、小さな子どもを持つ親と子の居場所になっています。
一方で、制度が充実すればするほど、ニーズが多様化し、別の課題が浮かび上がっています。横浜市では待機児童解消のために保育園の数が飛躍的に増えていますが、働きたい人も増えて拡大が追いつかないほどで、保育の質の低下への懸念の声なども聞かれています。
子育てに関する悩みや不安を解消し、つながりをつくることのできる「場」や「機会」がどんどん増えているのは、その時々の子育て当事者の「こんな場がほしい」「子育てのこんなことで悩んでいる」という声を聞き、制度に反映していこうと努力してきた人たちがいるからです。「乳幼児一時預かり事業」や「親と子のつどいの広場」を提案してつくり、そして運営してきたNPOの皆さんのやってきた仕事の大きさを感じずにはいられませんでした。
10月のワイワイ会議ではNPO法人Wo.CoパレットやNPO法人ピッピ親子サポートネットの方々と語り合いましたが、子育てへのニーズが多様化するなかで、当事者である(特に)お母さんの声を聞き、寄り添い、そこから「今必要なこと」を形にしていく、地道で根気強い活動を続ける志の強さに、圧倒され、また、今当事者世代である森ノオトがNPOとしてできることはなんだろう、と考えるきっかけになりました。
10月のワイワイ会議をきっかけに、森ノオトでは一つ、新しいことを始めました。それぞれの団体が発信してきた地域の子育て情報を一つにまとめる記事を、毎月、つくろうということ。小さな一歩ですが、「森のマルシェネットワーク」のように、続けることで地域でささえあう子育て文化醸成とネットワークづくりの一助になりたいと考えています。
横浜市内の各地で広がる「ワイワイ会議」が一堂に会するフォーラム「みんなで話そう!横浜での子育て 〜泣いて笑って子育ての本音〜」が、横浜市こども青少年局の主催で、2017年1月15日(日)に横浜市開港記念会館で開催されます。
当日、第一部は「笑って泣けて、子育てを楽しめる」子育てマンガで大人気の、漫画家の高野優さんをゲストに迎えた講演会。
第二部は参加者によるワークショップ「みんなで話そう! 〜泣いて笑って子育ての本音〜」を開催します。こちらは、私たち「みんなで話そう!横浜での子育て ワイワイ会議」のメンバーが担当します。
中区・西区で子育て当事者による子育て支援団体「まま力の会」代表で森ノオトのリポーターでもある船本由佳さんが総合司会を務めるほか、森ノオトでも取材した戸塚の子育て支援NPO「こまちぷらす」の森祐美子さんなど、横浜で輝く子育て団体の代表がそろいます。このフォーラムに参加すれば、きっと、横浜全体での子育てが楽しくなるような仲間が増えるかも!?
参加費無料、託児もありますので、「横浜での子育て」について、みんなで話しませんか? 一人が勇気を出して「声に出す」ことから、みんなの子育てがよくなっていくはずーー。
日時:2017年1月15日(日)13:30-15:45(開場30分前)
会場:横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1-6)みなとみらい線「日本大通り駅」徒歩1分
参加費:無料
事前申し込み制(締切 12月27日)
第一部:先着200名(13:30-14:15)
第二部:先着70名(14:35-15:45)
※第一部、第二部どちらかのみの参加も可能です
託児あり:先着50名(生後6カ月から未就学児まで)
お申し込み先:フォーラム「みんなで話そう!横浜での子育て」受付事務局(株式会社ケイ・エム・ビジネス内)
E-mail kosodate@kmb.co.jp
TEL 045-534-8770(平日9:00-18:00)
FAX 045-441-8161
件名に「みんなで話そう!横浜での子育て」申し込みと記入し、名前、フリガナ、住所、電話番号、参加を希望する部(第一部、第二部、両方)、託児を希望する場合はお子様の名前、フリガナ、イベント当日時点での年齢・月齢を記載ください。また、手話通訳を希望する方は、その旨もご記載ください。
主催:横浜市こども青少年局
協力:みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議
みんなで話そう!横浜での子育てワイワイ会議
https://www.facebook.com/みんなで話そう横浜での子育てワイワイ会議-1625960814310327/
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