森ノオト編集部が新体制に!個性豊かな4チームが始動します
今年、森ノオトは創刊から15周年を迎えます。15年目の森ノオトは、40名のライターが所属し、「地産地消・エコ」「コミュニティ」「子育て・教育」「お店・文化」をテーマにした4チームで活動します。また、今年度からシニアライター制度がスタート。「暮らしの足元から地域を耕す」人にスポットを当てる取り組みに力を入れます。

■2024年春、新たに10名の新ライターを迎えました!

2009年11月に青葉区で誕生したローカルメディア「森ノオト」は、市民ライターを育成し、地域で暮らす生活者が等身大の感性で地域の光を切り取り、言葉をつむいで、共感する仲間を増やしていく、メディアを通した社会参画の活動と言えます。

 

2013年にNPO法人を設立して以降、毎年ライター養成講座を実施し、この春、新たに10名の新ライターを迎えました。この15年で森ノオトのライターとして活動してきた人は118名。実に多くの書き手に恵まれ、その人の人生を投影した記事によって、地域との関わりを編み続けてきました。

ライター講座最終回でホッとした様子の受講生たち。育休期間中に赤ちゃんを抱えての受講や、遠くは千葉県、埼玉県からの参加もあり、男性も3名と、いつも以上に多様性に満ちたメンバーだった

ライター養成講座参加メンバーは地元・青葉区で子育てをし始めたばかりの方から、地域と関わりを深めたくて参加した人、自身がローカルメディアを運営しその手法を学びたいと飛び込んできた人、県をまたいでやってきた大学生に、企業でPRを本職にする発信のプロまで、キャリアもバックグラウンドも多種多様。そんな背景はもちろんのこと、それぞれが書き上げた修了レポートのは、その人の生活実感が存分に滲み出るような、「その人だからこそ書けた記事」が発信されました。

 

例えば、青葉区にある評判のイタリアンレストランを取材した葛西麻理さんは、自身が愛犬家であることから、オーナーシェフとの共通点でもある「犬」を切り口にレストランの魅力を切り出しました。

梅田優歌さんはお子さんを通わせた認定こども園を改めて取材。先生方のやさしい眼差しと深い思いをていねいにすくい上げ、自身が子育てをする中で大切にしたい原点をまとめ上げました。

森ノオトライター養成講座2024修了レポートは順次公開中。「はじめの一歩」ならではの瑞々しい感性がほとばしっている

一つひとつの記事に、その人の人生観や大切にしたい価値観が投影され、それが森ノオトというメディアで重なり合うことで、「森ノオトらしさ」が生まれます。これまで森ノオトで書いてきた人々、そして新たに森ノオトに参加するメンバーは、一人ひとりが違う個性を持っているのに、やっぱり「森ノオト」らしい。それは、ライター養成講座や編集会議、そして記事の編集過程で、真摯にライターに寄り添い、その人らしさと森ノオトらしさを結びつけてきた編集者の存在があるからこそ実現できたと言えます。

 

 

■「編集をひらく」という試み

2019年から2年間のデスク経験を経て、2021年度から2023年度までの3年間編集長として、森ノオトの編集を手掛けてきた梶田亜由美さん。「あゆみさんがいつも寄り添いながら的確な指摘をしてくれてありがたかった」「心を灯すような温かい文章とあり方」と、ライターからの絶大な信頼を得てきた彼女が、編集長退任まで1年かけて準備してきたのが、「編集をひらく」という試みでした。

一人の編集長が編集権の全責任をもつやり方から、ライターの興味・関心に応じてチームを分け、チームリーダーを中心に小さなグループが混在していく分散型の編集部へ。昨年度から始めたこの取り組みによって、40人を超す大所帯になったライターコミュニティが、風通しよく気軽にコミュニケーションを始め、「みんなと一緒に作るメディア」がより活発になっていきました。

森ノオト初の常勤職員として8年に渡り法人を支えた梶田亜由美さん。編集部デスク、編集長として、森ノオトの中核を担い、この春からは長年胸の内に温めてきたことを形にすべく、新たな一歩を踏み出す

2024年度は「編集長」という存在を置かずに、デスクの佐藤沙織さんが原稿をとりまとめ、4つのチームのリーダーが編集を務めるというスタイルに移行します。チームリーダー同士で「こういうテーマはどう編集する?」「ライターをどうサポートする?」などと相談し合う時間を設け、亜由美さんがアドバイザーとしてリーダーたちを支えます。

2024年度編集部のチームリーダーたち。左から佐藤沙織さん、梅原昭子さん、佐藤美加さん、松園智美さん

新たなチームとチーム名に、それぞれの個性を感じます。

 

◎子育て・教育/チャイティーラテ

チームリーダー:佐藤沙織

昨年度は「ほうじ茶」として活動した子育てチーム。子育ての体験談や子育て中の方々に贈りたいプレゼント特集など、まるで「ほうじ茶」のようにほっこりする記事が生まれました。今年はそこにちょっとスパイスを加えて「チャイティーラテ」に進化するようですよ。

 

◎コミュニティ/毎日がロケハン♪

チームリーダー:梅原昭子

「五感トランポリン」という、なんとも躍動的でユーモラスな響きをたたえ、青葉区や都筑区などに出向いては、独自の目線でコミュニティのあり方を発信してきたチーム。まちを歩くだけでロケハンになる、そんな目線を持ったメンバーを増やしていこうと、今年も仲間たちと地域を練り歩きます。

 

◎お店・文化/文化センター

チームリーダー:佐藤美加

おいしいもの、心躍ることが大好きで、みんなで集まってワイワイと文化的な話題に事欠かない、旧「文化部」チーム。今年はお店の紹介にとどまらず、伝統芸能や文芸、音楽などにも目線を広げ、活動そのものが「文化センター」のように多様な要素を取り揃えたい。新進気鋭の歌人として注目株のみかリーダーが元気よくチームをまとめます。

 

◎エコ・地産地消/ネイチャーコネクター

チームリーダー:松園智美

「農」の原点は「土」!土の音に耳を傾けた「土ノオト」チームは、リーダーを忍者ライター小池邦武さんから松園智美さんにバトンタッチ。横浜の地産地消を発信する「はまふぅどコンシェルジュ」で生粋の編集者でもある智美さんと仲間たちが、「地域や自然と、生活をつなげる」という思いを込めて、地産地消やエコをテーマに情熱を注いで地域を盛り上げます!

 

チームリーダーのキャラクターも色とりどりですが、そこに集まるメンバーも個性派ぞろい。今年もチームだからこそ生まれるカラフルな世界を読者のみなさんにお届けします!

編集会議で勢いづいた「ネイチャーコネクター」チームは、2週間後にさっそく集まり、JAの直売所で買い求めた旬の野菜を味わう即席レシピを発信する共同執筆をスタート!

■シニアライターが生まれます

さらに2024年度は、新たにシニアライター制度を設けました。

森ノオトライターとして2年以上の活動年数と、自らが企画してアポをとった取材原稿を複数年連続して規定の本数以上書き、編集部が認める水準の執筆力を持つメンバーには、シニアライターとして活動してもらいます。

 

森ノオトのコアスタッフとして事業を推進してきた梅原昭子さんや梶田亜由美さんに加え、教育者として温かくも鋭い視点で子どもたちの学びを支える取り組みを取材し続けてきた南部聡子さん、わらべうたや手遊びなど子育て支援者としても活躍する山田麻子さん、フットワーク軽く地域のさまざまな活動者や環境の取り組みを取材し続けた塚原敬子さんが2024年度はシニアライターになります。

編集会議での一コマ。ライター同士で気になるキーワードを持ち寄り、お互いの関心を知ることで共通点を見出したり、新たな視点を加えたり。仲間がいるからこそ、安心して取材活動ができる

森ノオトがこうして長年地域の魅力発信に貢献してきたライターをシニアライターとしてステップアップできる環境を整えることができたのは、2023年に実施した「法人設立10周年記念バースデードネーション」で多くの方々にご寄付をいただけたおかげです。

 

森ノオトは寄付で運営するローカルメディアを目指しています。いただいた寄付は、誰かの一歩を応援するための記事作成に使いたい。誠実に取材対象に向き合い、目指す未来に向けて真摯に記事を執筆するライターにも還元したい。温かい熱量のある記事を送り出し、その温度感が地域に伝播していくような、小さな波紋を生み出したい。そんな思いを実現させてくださったのは、寄付者の皆さんのおかげです。

森ノオト創刊編集長の私・北原と、2代目編集長の梶田亜由美さん。書き手を尊重し、取材相手や読者との相互作用を地域で生み出していく、森ノオトらしい編集のスピリットは、次の世代へと受け継がれていく

皆様方にいただいた応援を、私たち森ノオトは読者に、地域に、そして書き手に還元していきます。情報によって地域がよくなっていく、そんな循環を応援してくださるサポーターの志を、森ノオトではお待ちしています。

 

2024年度の森ノオトも、どうぞよろしくお願いいたします。

Information

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https://morinooto.jp/donate/

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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