★エレキガール奮闘記その2……我が家に合うソーラーシステムを検討する、の巻
あざみ野ぶんぶんプロジェクトのワークショップの参加者は、いつも、ほとんどが女性です。主催者が主婦やフリーランスだったりするので、女性が子どもを預けて(あるいは連れてきて)参加しやすい、平日の午前中に開催することがほとんどだからです。この日のソーラーシステム組み立てに参加したのも全員が女性。普段は計算が苦手な主婦たちが「我が家は何ワット級のパネルを買ったのよ」とか「インバーター120Wで足りるの〜?」なんて、なんだかマニアックな会話をしています。
渋い風貌の若い電気技師・吐師さんが目の前で手際よくケーブルの被覆をとり、ソーラーパネルとチャージコントローラーをつないでいきます。家庭にあるはさみやカッター、それからドライバーがあれば、ソーラーシステムの配線はカンタンにできるそう。素手で金属の端子をさわる吐師さんに「大丈夫ですか? 感電しませんか?」と聞く声が後を絶ちません。吐師さんは「大丈夫ですよ、ほら」と言いながら、「パネルを太陽の光に当てながらプラスとマイナスの電極をふれさせるとショートするからそこは気をつけて」とアドバイス。
続いてチャージコントローラーとバッテリーをつなぎ、続いてチャージコントローラーとシガーソケットをつなぎます。シガーソケットはクルマから電気をとる時に見たことがある人もいるのではないでしょうか。この時点で太陽の光があたれば発電し、バッテリーに電気がたまっていれば、電気を使うことができます。
シガーソケットに入ってくる電気は、発電したままの直流電流(DC)です。一般的な家電を使えるようにするには、交流電流(AC)に変換しなければなりません。それがインバーターで、いわゆる家庭のコンセントと同じ形状のさし口があります。わたしの持ってきたインバーターはシガーソケットにつないで使えるもので、バッテリーに直接配線をつなぐタイプのものもあります。
ここで一つ疑問が生じました。クルマのシガーソケットから直接iPhoneなどを充電できるから、わざわざACに変換する必要はないのでは……。
そう! 実は家庭のコンセントから入ってくる電気はACで、パソコンや携帯電話の充電はACをDCに変換しているんです。USBで充電できるものはほとんどがDCです。元々DCで入ってくる独立型ソーラーシステムの場合、インバーターで経由で充電すると、DC→ACに変換し、さらに家電についてくるAC→DCアダプターでDCに変換してから充電することになるので、これは何ともロス! 直流交流の変換にも10%くらいの電気を使うと言われています。USBで充電できるiPhoneは、DCのシガーソケットからUSB経由で直接充電するほうがいいみたい。MacBookAirもいったんAC→DCに変換しているけれども、専用のUSBは売っていないので、ここは変換ロスがあっても既存のアダプター経由でACから充電することにしました。
よけいな計算をしながら、実際に手を動かし、ソーラーシステムを組み立ててみます。吐師さんの実演を見ていたので、ものの10分ほどであっという間に終わりました。ソーラーシステムを買っていない参加者の人に組み立てをそれぞれやってもらい、「カンタン!これならできそう」「我が家も買ってみよう」と、みな、やる気満々に。
心地よい疲れと楽しさで、重いバッテリーもパネルも4階まで持ち運び、翌日、自宅でプチ工事をしました。
まずはエアコンのダクトの粘土をはずし、外からソーラーパネルのケーブルを中に入れ、粘土をふさぎました。それから配線を壁づたいに留めて、パソコンスペースにバッテリーとチャージコントローラーの場所を決めて組み立てました。無印良品で半透明のポリプロピレン洗濯かごを買い、配線を中に入れるための切り込みを入れ、ふたをすれば細かい機材のゴチャゴチャも見えません。スリットが入っているので通気して熱もこもらずいい感じ。15分くらいでできちゃいました、我が家の「エレキ発生装置」。
こうして我が家の発電生活が始まりました。
(次回に続く)
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