人生をリアルに感じられる「あおば拠点歩き」。藤が丘で出会った、しなやかな生き方
関内イノベーションイニシアティブ株式会社が主催する「田園都市で暮らす、働く 地域で活躍している人に会いに行こう! あおば拠点歩き」の第2弾・藤が丘編のコーディネートとガイドを、森ノオト編集長の北原まどかが担当しました。

藤が丘は森ノオトと縁の深いまちです。毎年1123日に藤が丘駅前公園で開催している「あおばを食べる収穫祭」では、地元・藤が丘商店会とタッグを組み、今年から上谷本連合町内会との協力関係も構築され、地域に根差しながら「エコロジー&オーガニック」のテーマを追求した、地元でも屈指の人気イベントに成長しました。                                                                                 

また、青葉区との市民協働事業「フラワーダイアログあおば」では、藤が丘公園愛護会と良好な関係を築き、公園愛護会活動の体験なども開催いたしました。

藤が丘と森ノオトは相思相愛で、私たちスタッフも特に思い入れが強く、まちの隅々まで歩き、個性豊かな店主や事業者、団体と、たくさんのつながりをつくっています。

 

藤が丘駅前公園。昭和大学藤が丘病院が目の前にあり、医療のまち・藤が丘の象徴的な場所とも言える

 

この日の集合場所は、藤が丘駅前公園です。駅すぐの立地ながら、地域の方が大切に守り育ててきた美しい花壇や、街路樹と、地域医療を担っている昭和大学藤が丘病院に見守られながら、まち歩きはスタートしました。

 

テンゾのオーナー、植木さん(左)。横浜でいち早く地産地消に取り組んできた牽引者でもある

 

最初に訪れたのは、Revive Recipe TENZOです。

横浜では最古参とも言える2001年から地産地消に取り組んできた藤が丘のイタリアンレストラン「ナチュラーレ・ボーノ」の姉妹店として、2013年にオープンしました。

形が悪かったり規格外だったりして廃棄される野菜を引き取り、それをお惣菜として加工して販売することで、野菜の命をよみがえらせる。それから、栄養士やパティシエなど力をもった多彩な主婦たちの才能をよみがえらせる、そんな「エコシステムをつくってきた」という、社長の植木真さん。

今では、女性スタッフを中心に、テンゾで働くメンバーが自ら「定休日に月に一度のお菓子屋さん」をオープンしてそれが話題になったり、管理栄養士のスタッフが女子サッカーチームの応援レシピを提供してチーム力向上に寄与するなど、その力が開花しています。

 

<森ノオト記事>

▼▼

旬の食材も人も地域もよみがえる藤が丘REVIVE RECIPE TENZO

https://morinooto.jp/2013/04/23/tenzo/

 

もえぎ野地域ケアプラザは、老若男女さまざまな方が集い、まさに「地域の多世代交流」の拠点とも言える

 

続いて訪れたのは、横浜市社会福祉協議会が運営する老人福祉センター「ユートピア青葉」と「もえぎ野地域ケアプラザ」の複合施設。有機的な建築が訪れる人たちをやさしく包み込みます。地域包括支援センターの機能も持ち、高齢者の居宅介護支援やケアプランの作成などをメインにおこなうほか、乳幼児連れの方でも集いやすいスペースもあります。

看護師の鳥井さんによると、「ユートピア青葉は男性利用者が多いのが特徴で、特に社交ダンスが盛んです。背筋の伸びたシニアの方から、ダンスに誘われることもあるんですよ」と笑いながら話していました。

 

今はギャラリーがメインで、飲食はワークショップベースで時たま。自分らしいペースで場を運営してきた近藤さんを囲んで、そのしなやかな生き方に参加者は共感していた

ユートピア青葉からもえぎ野公園、もえぎ野ふれあい樹林を通過して、カフェギャラリーリンデンを訪れました。

2013年に自宅の一部を開放してつくられたギャラリーは、自然素材建築で、その場にいるだけでくつろげる、癒しの空間です。オーナーの近藤典子さんは、ドイツ在住時に、暮らしの中にアートや音楽があり、近隣との交流を楽しむティータイムを大切にしているドイツの文化に感銘を受け、帰国後、いつかそんな場所をつくれたら、と思い描いていたといいます。

子育てや介護がひと段落した後、夢を実現させた近藤さん。カフェギャラリーの運営は決して楽ではないですが、「アートとは、自分に向き合うこと。自分は何に感動するんだろう、ということに気づく時間なんです」と話す近藤さんは、自分の選んだ生き方を楽しんでいるようでした。

 

<森ノオト記事>

▼▼

芸術にふれながら人と出会いつながる場。もえぎ野・ギャラリーカフェ「リンデン」

https://morinooto.jp/2013/10/31/linden/

 

バナネイラのオリジナルTシャツを身にまとい、ていねいにご自身の軌跡を話す加藤さん。終了後のランチはみんなのお楽しみ

 

この日の最後の目的地は、2年前にもえぎ野公園前にオープンした「2.bananeira(ドイスバナネイラ)」です。オーナーの加藤美緒さんは、オーガニック総合商社で長年広報・PRを務め、2013年に独立してあざみ野のカフェ設立に携わります。その後、あざみ野や緑区の飲食店の運営に関わり、2017年に「ドイスバナネイラ」をオープンさせます。

「バナネイラはポルトガル語でバナナの木という意味。種がなくても枝分けでどんどん増えていくバナナのように、エコな考え方が広がっていくといいな、という気持ちで名付けました。もう一つが、ブラジルの格闘技のカポエイラで逆立ちと意味があるバナネイラ。飲食店で、かつビーガン(完全菜食)のお店なんて難しい、逆立ちしてもできないという声がたくさんあったんですが、だったら最初から店名を逆立ちにしちゃおうかな、って」と、茶目っ気たっぷりに話す美緒さん。

「オーガニックとは、持続可能な、とか、地球全体の、という広い意味を持っています。四季や旬、昔ながらの調味料など、地域に根差して生活に直結する気づきをここから発信できたら」と語ってくださいました。

 

<森ノオト記事>

▼▼2013年に美緒さんが店長として立ち上げに関わったお店の記事)

あざみ野に待望のベジカフェオープン!Sun’s Market Cafe

https://morinooto.jp/2013/05/22/sunsmarketcafe/

 

▼▼

野菜のエネルギーをいただく。藤が丘のヴィーガンカフェ「ドイス バナネイラ」

https://morinooto.jp/2019/07/11/2bananeira/

 

 

ドイスバナネイラのヴィーガンプレートをいただきながら、まち歩きの感想を話し合いました。

「駅から離れて歩いてみると、個人のエネルギーでまちが動いていることを感じる」

「オーナーのこだわり、コンセプトがはっきりしている。大好きなことを仕事にして、細く長く続けていくことが大切だとわかった」

「まちを歩いて店主の話を直接聞くことができて、ネットにはのっていない情報を知ることができてよかった」

 

こんな話を聞きながら、地域で自分の仕事をおこし、働く価値や意義を、参加者の皆さんと共有できたことを感じられ、たいへん手応えを感じました。

 

私たち森ノオトは、ウェブメディアで情報を発信しています。しかし、「情報」だけを届けるのではなく、「情報を介して、地域の人と人が出会う」きっかけをつくりたい、といつも考えながら、取材をして、記事を書いています。

森ノオトの記事で、市民ライターがどのようにして店主と出会っていったのか、そして店主の物語を手ざわり感いっぱいに読者に届け、人と人の距離感を近づけていけたら、と願っています。

 

LINK

あおば拠点歩き「美しが丘西」編(201976日開催)レポート

あおば拠点歩き「荏子田・すすき野」編(2019127日開催)レポート

Information

<あおば拠点歩き 藤が丘編>

主催:関内イノベーションイニシアティブ株式会社

告知

https://massmass.jp/project/walk02/

次世代郊外まちづくりHPでのレポート

http://jisedaikogai.jp/report/aoba-walk2

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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