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2025年8月の全体研修の様子。森ノオトの船本由佳さんによるプロフェッショナルな司会進行で、スムーズに会が進む
神奈川県はボランタリー活動が盛んな地域で、県は「神奈川県ボランタリー活動推進基金21」を設けて社会課題解決や地域の魅力創出に取り組む団体を支援しています。森ノオトは基金21の成長支援事業を2カ年にわたり受託し、今年度も県内10団体を「広報」の切り口からサポートしてきました。
▼令和5年度の成果報告会のレポートはこちらから▼
広報支援のその先へ。ボランタリー団体成長支援事業「パブリックリレーションズ・サポート・プログラム」成果報告会を開催しました!
「社会」の前に「団体の内なる声を聞く」

9月に実施した第2回研修では、「情報を届けたい相手のことをどこまで解像度高くイメージするか?」をテーマに、講義+ワークショップを行った
「パブリックリレーションズ・サポート・プログラム」のポイントは、広報=広く社会に向けて団体の価値や事業を発信する「外向きの広報」より先に、まずは団体の内部のメンバーと目指す社会像や団体のやるべきことや、活動に参加する個々人の原点を共有する「内向きの広報」をしっかり行います。そうして初めて、外に向けて情報を発信する時に一人ひとりが納得感をもって広報に魂を入れていくことができるようになります。
2024年8月に行う第1回の全体研修では、まず「ビジョン・ミッションの確認と組織内部への浸透」をテーマに実施しました。
広報について、「公(社会)との関係づくり」と定義し、本プログラムの意義を「ボランタリー団体のつながる力を高める」としました。そのうえで、社会の対義語として団体内部と意思疎通することを「社内」と表現し、
・「社内」の声を聞くこと
・「社内」に伝えること
・「社会」の声を聞くこと
・「社会」に伝えること
の優先順位をお伝えしました。
環境活動や福祉活動など、さまざまなボランタリー活動に関わるきっかけは、人それぞれ。誰にも「原点」となる個人的な体験や、価値観があります。そうして活動に参加する個人の思いに耳を傾け、団体が掲げているビジョンやミッションを共有することで、ともに「共通の未来」を描くことができるようになる。そこから始めよう、と、プログラムの参加団体に伝えました。
情報を届ける相手の「顔」は見えているか?
団体の内部でビジョン・ミッションを共有できるようになると、外に向けて発信する時にも言葉に力がこもってきます。自分たちの団体が、どんな社会をつくりたくて活動しているのか、広報に関わる人たちがそれぞれ納得感をもって発信できるようになるからです。

NPO法人みどりなくらしの堀さん(右)、本江さん(左)と。森ノオトも普段から親しくしている団体で、今回がっつりご一緒させていただいた
ただ、その際に「団体の情報を届けたい相手は誰か?」という「ターゲット」が曖昧な状態だと、団体の独りよがりな情報発信になってしまいます。
例えば、コミュニティカフェに多くのお客さんを呼びたい時に、普段からの常連さんに来店してもらうための広報と、最近近所にできた新しいマンションに転入してきた人に対しては、響く言葉が異なるはずです。
また、子ども食堂を例にするなら、食堂に来る「参加者」は十分に集まっていて常に満席だけれども、ボランティアが足りていなくて実はニーズに応えきれない状態だとしたら、今広報に注力すべきなのは「ボランティア募集」ということになります。その際、どんなボランティアさんが必要なのか、世代や居住地域、働き方、価値観など、「こんな人に来てほしい」という具体的な人の顔を思い描くことで、団体のビジョンを共有できるような方に巡り合えるようになっていくかもしれません。
9月に実施した全体研修の第2回では、「ターゲット」を具体的に思い浮かべ、その人がどのように情報を受け取るのか、受け取った情報に団体とつながる動線がしっかりと記されているか、団体の活動に参加した後その人にどのような行動変容が生まれるのかをしっかりと描くことで、広報の精度が上がっていくという話をしました。
個別伴走支援は団体ごとのオリジナルプログラム
8月、9月の全体研修の後、10月からは森ノオトのスタッフが二人一組になって、団体ごとに個別伴走支援を行いました。7月のエントリー後、全団体とオンライン面談を行い、団体ごとの課題に応じたプログラムを組み、10月、11月、12月に対面で支援を行い、1月のオンラインフォローアップまで、約半年にわたり団体には各自の広報課題に取り組んでもらいました。

横浜市磯子区洋光台でコミュニティカフェ「結café」を運営する一般社団法人re net結の皆さん。「結caféの価値ってなんだろう?」という問いを付箋に書き出すことで、みんな自然と笑顔になった
今年度の参加10団体と、おおよその支援内容は、以下。
・NPO法人フードバンク浜っ子南(横浜市)
…コロナ禍設立のフードパントリー、フードバンク事業の寄付強化広報
・ままリズムぱぱリズム(横浜市)
…ダンス等の表現教育で子育て支援・多世代交流団体の組織基盤強化広報
・ふらっとステーション・とつか(横浜市)
…戸塚区内でのコミュニティ拠点の移転・統合に伴う広報
・特定非営利活動法人よこはま里山研究所(横浜市)
…横浜市南区「里山の入口」はまどま活用企画と地域広報
・みんなの放課後クラブ(横浜市)
…横浜市中区本牧で子ども・多世代が斜めの関係を築く団体の広報体制づくり
・NPO法人霧が丘ぷらっとほーむ(横浜市)
…横浜市緑区の多世代交流・多文化共生のコミュニティカフェの広報
・一般社団法人re net結(横浜市)
…理事が世代交代した横浜市磯子区のコミュニティカフェの地域向け広報
・みんなのさいわい(川崎市)
…NPO・地域団体・企業のプロボノ・ファンドレイジング支援団体の外部広報
・NPO法人みどりなくらし(川崎市)
…食と環境でつながる川崎市の子育て支援団体・拠点の組織内広報
・ジャスミンファクトリー(神奈川県秦野市&松田町)
…性別・障害を超えたインクルーシブな農園・居場所の広報と法人化
活動を始めて3年以上の任意団体(法人格を持たない団体)から一般社団法人、NPO法人まで、団体の事業規模もさまざまですが、共通点は「社会の課題を解決したい、未来をよくしていきたい」というボランタリー精神に基づいている団体であること。利益を追求して私益を満たすのではなく、あくまでも社会に還元していくことを目的にしていますが、一方で活動が持続可能であるためには収益をあげていくことも必要です。そのため、団体ごとに予算規模や事業内容についても細かく質問し、「今、団体にとって最もしんどい課題は何か?」を把握し、それを「広報でどう解決していくのか」というプログラムを考えました。
個別伴走支援とはいっても、森ノオトのありかたは、同じようにボランタリー活動をする市民団体として当事者性をもって団体の悩みに寄り添っていくこと。同じ立場、同じ目線、でもちょっとだけ「広報」に力を入れてたくさん取り組んできたなかでの成功体験や失敗談をシェアしていく、そんなスタイルで毎月10団体に向き合ってきました。

神奈川県西部の丹沢エリアで、障害の有無やジェンダーにとらわれず、誰もが安心して農と音楽、アートにふれられる体験を提供しようとスタートしたジャスミンファクトリー。個性豊かなメンバーたちが、地域内外に団体の強みをどう発信していくか、膝を突き合わせて話し合った
10団体、それぞれが「成果」と「変化」を発表します!
この半年間、10団体の皆さんがそれぞれ、何に取り組んできたのか、どんな「成果」を生み、団体にどんな「変化」が訪れたのかを、成果報告会では発表していただきます。
「成果」はこの期間に団体が取り組み、何か目に見えてわかる形として発表できるもの。ホームページをリニューアルした。団体紹介の三つ折りリーフレットを作成した。ビジョン・ミッションを策定した。NPO法人設立を決意して準備を進めている。それに向かってどのように取り組んでいったのか、発表されます。
「変化」は団体内部や個人の意識の中で起こったもので、目には見えないけれども広報への取り組み方や役割分担が明確になったり、広報についての予算を検討するなど、団体自体の組織基盤がどんなふうに強化されたのかを語っていただきます。

横浜で歴史ある環境団体「特定非営利活動法人よこはま里山研究所(通称:NORA)」では、横浜市南区の拠点「はまどま」をどう地域に発信していくかについて、意欲的に取り組んだ。クリスマスシーズンにオープンデイを設ける準備の一コマ
森ノオトの「広報支援」のノウハウを提供します
2月28日は、ボランタリー団体の広報について、たくさんの事例から学べるチャンスでもありますが、市民活動を支援している「中間支援組織」にもぜひお越しいただきたいと思っています。

今年度はかわさき市民活動センターで船本が、ひらつか市民活動センターで北原が、それぞれプログラム移転を見据えた広報講座を実施。ひらつか市民活動センターでは来年、職員さんが広報を通じた成長支援を実際に行っていく予定
この「パブリックリレーションズ・サポート・プログラム」は、森ノオトだけが担うのではなく、県内の中間支援組織が使えるようになることで、より多くのボランタリー団体に広報支援を届けることができるようになります。
特に、「社内広報(ビジョン・ミッションの共有と浸透)」と「社外広報(情報を届けたい相手を明確にする)」の二つのプログラムを簡略化して、希望する中間支援団体が自ら講座を開けるように、レジュメを共有する仕組みをつくります。その内容についても当日発表いたします。
どなたでも参加無料で、交流の時間も設けています。ふるってのご参加をお待ちしています。
【開催概要】
令和6年度基金21成長支援事業「成果報告会」
日時:2025年2月28日(金)14:00〜17:00
会場:かながわ県民センター2F ホール
住所:横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 かながわ県民センター2F
一般受付:13:45
開始時間:14:00
終了時間:17:00
参加費:無料
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