まちにひらかれた小商いと暮らし。コミュニティを育む新しい賃貸住宅「榧日-hibi-」
1階土間をお店やギャラリーとして使える職住一体型の賃貸住宅「榧日-hibi-」(ひび)が、あざみ野にこの春、誕生します。3軒のうち1軒はシェアキッチンとしてコミュニティマネージャーが常駐し、地域の「やりたい」を実現できる場に。2月28日(土)、3月15日(日)には、オープニングイベントが開催されます。いち早く「榧日」の暮らしを体験してみませんか。

暮らしと小商いがともにある現代版の“長屋”

世界基準の温熱性能を持つ木造住宅ブランド「Asu-haus(アスハウス)」による職住一体型の住まい。ヘーベルハウスで知られる旭化成ホームズが、2024年より世に送り出した、新しいコンセプトの賃貸住宅です。

 

「榧日」があるのは、青葉区大場町。東急田園都市線あざみ野駅から徒歩20分ほどの閑静な住宅街に位置し、通りに面した1棟3軒には門扉がなくまちにひらかれています。2軒は賃貸住宅で、1階の土間部分はお店やギャラリー、サロンなどの「小商い」の空間として使えます。1軒はコミュニティマネージャーが常駐し、シェアキッチンとして運営予定。日替わりのカフェや、ケータリングの仕込み場、料理教室やワークショップの会場として利用できます。

設計を統括した新井さん。植栽でゆるやかな区切りをつくりつつ、ゆったりとしたつながりを感じられる外構が目印

「榧日」は、街道沿いの宿場町の長屋のイメージで設計しました。昔ながらの伝統的な日本家屋は、職住が一体となっていて、暮らしと商いが常に隣にありました。通りに面した手前は“ハレ”の空間としてお客様をもてなし、奥まったところには家族の居場所である“ケ”の空間が広がっている。それを、性能面では高気密高断熱の超快適な空間にアップデートして、現代のライフスタイルに即した形で提案しています」

 

そう熱を込めて語るのは、旭化成ホームズの新井一弘さん。店舗を「ハレ(公的な場)」、住居を「ケ(私的な場)」と捉え、緩やかにつなぐことで、商いと暮らしが一体となった温かみのある空間を再現しています。

 

一方、住宅は太陽光発電と蓄電池を標準で備え付け、天井エアコン直結のダクト式換気システムで一年中快適な温熱環境を実現。土間まで断熱して底冷え知らず、高性能フィルターで花粉やホコリ等を軽減して清浄な空気を保ち、居住者も来客も心地よく過ごすことができます。

 

 

コミュニティマネージャーが地域の「やりたい」を応援

この新しい賃貸住宅を「榧日」と名づけたのは、この地域のシンボルツリーとして親しまれてきた「かやの木」に対するリスペクトからです。樹齢600年と言われるかやの木のように、この地域で暮らす人々の日々の営みに寄り添い、人が集い温かな語らいが生まれる場にしていきたいーー。「榧日」では、地域の誰もが気軽に利用でき、「やりたい」を応援するコミュニティを醸成していきたいと、旭化成ホームズでは考えています。

 

「榧日」の企画を担当している瀬川貴之さんは、「生活空間としての快適性を確保しつつ、趣味や好きなことを“お店”という形でパブリックにひらいていくような、そんな挑戦ができる場でありたいと思っています」と話します。

「社内でも社外でも、人と人をつなぐことに喜びを感じます」と瀬川さん。やわらかな光の入る賃貸住宅の2階でゆったり

今回、賃貸として入居者を募集するのは002号室と003号室。

002号室の4.5畳の土間空間は、例えば小さなギャラリーとして陶器や雑貨を置いてみたり、地域文庫としてひらいてみてもいいかもしれません。有孔ボードの壁を最大限に使って、自在にディスプレイすることもできます。好きなことを小さく表現するのにとっておきの空間です。

 

003号室は4.5畳と5.2畳の2部屋が土間で、フラワーショップやお教室の利用など、より用途が広く使えます。水場もあるのでサロンとしての活用も可能です。

 

子育てしながらも、自分らしく“好き”を表現する場として。あるいは定年退職後を見据えて趣味の時間を充実させ、それを地域の仲間と共有していく機会として。

「私」の暮らしの中に、「公」と交ざり合う余地をつくる。「榧日」の設計思想の中心に、「暮らしをひらいていく」というコンセプトがあります。

 

そして、001号室のシェアキッチンは、将来独立を目指す人々のためのステップアップや、地域でゆるやかに趣味の活動ができる表現の場として位置づけられています。瀬川さんは「将来的に自分で店を借りてみようと思えるような、ステップアップのための使い方をしていただけたらうれしい」と語り、利用者の「やってみたい」を応援する役割を期待します。

001号室のシェアキッチン。日・週・月替わりのカフェ営業や、製造にも使える仕様。利用者の声を聞きながら少しずつ設備を整えていくという

ここで重要な役割を担うのが、「コミュニティマネージャー」の存在です。入居者同士やシェアキッチンの利用者、そして地域と「榧日」をつなぐハブとなります。シェアキッチンで日替わりカフェをする人の広報をサポートしたり、一緒にマルシェを企画したり。

 

「私たちの暮らすあざみ野のまちを、もっと楽しくしたい」という地域の方の企画持ち込みも大歓迎。どうやったら地域の人の「やってみたい」を実現できるか、一緒に考え、寄り添いながら、手足を動かしていくのがコミュニティマネージャーです。

まめくらし研究所の宮田さん。ご自身が「職住一体」の生活を送り、その知見で惜しみなくサポートしてくれる

コミュニティマネージャーをサポートするのは、全国で共同住宅のコミュニティ運営や、公園やストリートといった公共空間と人をつなぐ場づくりをしてきた株式会社まめくらしの宮田サラさん。ご自身も「高円寺アパートメント」という50世帯の賃貸住宅に暮らしながら「まめくらし研究所」という雑貨店を営み、地域のコミュニティマネージャーとして活躍している先駆者です。

 

「あざみ野が、こんなまちになっていったらうれしい。そんな視点で、榧日を運営していけるといいなと思います。このまちに、こんな文化がほしい。そう思った人が、榧日を使ってその思いを実現していけるように」(宮田さん)

 

もうお二方、埼玉県草加市で「シェアアトリエつなぐば」を運営し、地域に根差しながらたくさんのチャレンジを応援している小嶋直さん、みのりんさんも「榧日」の強い味方です。

 

「榧日-hibi- は、“住まい”だけでなく“暮らし”にフォーカスしているのが素敵です。暮らしってすぐにつくれるものではないからこそ、そこに生きる人たちに会話が生まれ、ここに住み続けたいと思えるような、そんなコミュニティをつくれたらいいですよね」と、期待を寄せます。

つなぐばシェアビレッジの小嶋直さん、みのりんさん。草加市でシェアキッチンを通じた地道な地域づくりをしてきた

そして、私たち森ノオトも、青葉区に拠点をおくNPOとして、「榧日」と地域をつなぐ役割を担います。新しい暮らし方、働き方をする人の隣で、地域の人の思いを汲み取りながら、「榧日」がしっかり根っこを張れるように、たくさんの会話が生まれる場づくりをお手伝いしていきます。

 

 

“幸せ”を軸にしたコミュニティ価値

「榧日」は、旭化成ホームズにとっても、全くの新しい挑戦です。郊外の、あえて駅から遠くのエリアで、なぜこのようなコンセプトの賃貸住宅を提案するのでしょうか。

 

旭化成ホームズGREENOVATION推進室室長の藤原純一さんは、「たまたま私の住まいが青葉区で。散歩しながら、住みびらきの個人商店が意外と多いことに気がついたんです。私の仕事はサスティナブルな未来につながる空間づくりがミッションで、その一つの解が超高断熱・高気密の住まいづくりなのですが、もう一つ豊かな暮らしの軸を考えた時に、人とのつながりからくる“幸せ”があるのではないか」と、「榧日」を構想した時のことを振り返ります。

榧日-hibi-を統括する藤原さん。熱いビジョンをもってチームをまとめる

かつて、家を持つことは多くの人にとって人生の目標であり、成功の証でした。しかし、近年はライフスタイルの多様化や働き方の流動化が進む中で、住宅ローンという形で一つの土地や建物に長期的にコミットすることに対して、むしろリスクと感じる層が増えていると言えます。

 

この「家離れ」の背景には、人々の価値観の変化があります。藤原さんは「自分の人生のクオリティを上げるためにどんな暮らしをしようか、どんな生き方が幸せなのか。人々が求めるものがモノの所有から、心を満たす体験価値へと移行しているのではないか」と指摘します。

 

さらに、駅から徒歩何分という立地スペックだけではなく、地域で自分らしく生きる挑戦をする人たちを応援できるコミュニティ価値を、エリアの価値にしていけるのではないか。「榧日」があえて駅近でないところにあるのは、そんな理由があるからです。

 

 

3/15(日)「榧日」の暮らしを体現するオープニングマルシェ

2026年3月15日(日)に、そんな「榧日」がありたい姿をいち早く体現するオープニングマルシェを開催します。

 

この青葉区には、好きと得意を暮らしの中で表現し、人と、地域と関わり合いながら、暮らしをひらいていく実践者が数多くいます。森ノオトが出会ってきた、素敵なマルシェプレイヤーが「榧日」を使い、「榧日」を表現したら、どうなるのでしょうか。ぜひ、春からの「榧日の暮らし」を楽しみに、遊びにきてくださいね。

2/28と3/15にはこの空間でいち早く榧日らしい暮らしを体験できる

<「榧日」プレオープン内覧会>

日時:2025年2月28日(土)10:00〜15:00

 

<「榧日の暮らし」オープニングマルシェ>

日時:2025年3月15日(日)10:00〜15:00

出店者

OHAYOGOZAIMASUCOFFEE(コーヒー)

本屋小鳥(本・雑貨)

・食堂チポリーノ(お弁当)

Atelier Delphi(花苗、寄せ植え)

お菓子工房YAMAMOTO(焼菓子)

アトリエミクチ(ワークショップ)

・南(野菜、農産加工品)

Information

「榧日」

住所:横浜市青葉区大場町698-7

※3/15、2/28のイベントはどなたでも予約なしでご参加いただけます。
※個別の内覧の希望は以下のHPのお問い合わせフォームからお願いします。

HP:https://www.asahi-kasei.co.jp/asu/chintai/lineup/hibi/index.html/

Instagram:https://www.instagram.com/hibi_asuhaus/

 

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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