青葉区は横浜一の米どころです。水田の耕地面積は市内1位の3,690a、水稲を栽培している農家は64戸あります(『なるほどあおば2020 データで見る青葉区』2021年2月青葉区発行)。柿やなしといった果樹の栽培も盛んで、季節になると農家の直売所には新鮮なフルーツを求めてお客さんが列をなすことも。
青葉区の地産地消は、農地を耕し続け、都市郊外の農的空間を守る農家さんがいて、その両輪に「食べる」を楽しむ市民がいるからこそ成り立ちます。青葉区はその両方がパワフルで魅力的。今回は、青葉区の地産地消を牽引する人たちと、青葉区の女子サッカーチームの選手たちが、濱の料理人・椿直樹さんの「青葉区丼」に協力しました。
「日体大FIELDS横浜」(以下、フィールズ)は2010年に結成した、青葉区鴨志田町に拠点をおく女子サッカーチームです。なでしこリーグ1部に復帰した今季も快進撃を続け、10月17日(日)の最終戦(13:00、ニッパツ三ツ沢球技場)に期待がかかります。
フィールズオフィシャルサポーターBLUESの結束力も強く、全国各地まで応援に出かけるコアファンもいれば、地元でフィールズの選手へエールを送る商店主もいます。また、フィールズの選手が地域活動に積極的に出かけてはファンを増やし、選手と地域の交流が盛んなことも青葉区らしさといえます。
TSUBAKI食堂の「青葉区丼」前半では、「日体大FIELDS横浜応援企画!アスリート丼」が供されます。フィールズマネージャーの嘉山寧さん、BLUES事務局の柏木由美子さん、山田有香さんと、選手3人が8月26日にTSUBAKI食堂を訪れ、青葉区丼のメニュー開発に協力しました。
椿さんは、普段選手が日体大の学生食堂で食べている人気メニューや、好きな食べ物などを聞き、アスリート丼のメニューを考案しました。
メインのチキン丼はヘルシーな鶏ムネ肉に味噌ダレをつけていただきます。この味噌は、毎年コマデリの小池一美さんと、フィールズの選手たちが仕込んでいます。種味噌が続いているので、李さんが1年生の時に仕込んだ味噌の味わいも受け継がれているかもしれませんね。
ごはんは三澤総合農場の新米「はるみ」。はるみは神奈川県の品種で、キヌヒカリとコシヒカリを交配して生まれたツヤと甘みが特徴的なおいしいお米です。三澤さんのお米は皇室献上米として秋の新嘗祭に献上されたこともあるほど。この秋収穫したばかりの新米をじっくり味わいましょう。
スープには、はやし農園の地粉を使ったうどんが入っています。林英史さんといえば横浜の新規就農者のエース的存在。年間70種ほどの野菜や米を生産し、地域のお店や郵便局の軒先で自ら販売するマルシェスタイルで、消費者との交流も大切にしています。穏やかで博識な林さんにファンが多いのもうなずけます。
「この辺りは昔から小麦の産地で、新麦を製粉して地粉うどんを食べる習慣があったようですよ」と、林さん。今年収穫した麦のうどんも「おいしくできた」とにっこり。椿さんはあっさりとしたお出汁で小麦の旨みを味わえるスープに仕立てました。
三澤総合農場の三澤元芳さんは、地元の農家として、誠実にていねいに、野菜づくりをしています。森ノオトでは2017年から三澤さんや田奈エリアの若手農業者による「遊休農地を活用する会」に津久井在来大豆の作付けをお願いし、「100人のひとしずく~手前味噌プロジェクト~」で味噌づくりを続けています。恩田川沿いのこの農地では、20人のメンバーが一緒に小麦、玉ねぎ、落花生、大豆などを生産しています。三澤さんは「今後遊休農地は増えていくと思いますが、こうした農地を維持していくには、事業として成り立つ形にすることが生産側・消費側双方に大切だと思います」と言い、その言葉の重みを椿さんもしっかり噛み締めていたようでした。
フィールズ応援団の食材もアスリート丼を彩ります。2017年から熱心にフィールズをサポートしてきた金子石油店の金子拓也さん。フィールズの試合では金子さんが代表を務めるNPO法人Waveよこはまのリユース食器も活躍しています。今回は、ウチルカのドレッシング3種を青葉区丼に提供。「青葉区丼、楽しみですね。食べに行きますよ。青葉区と中心部の交流にもつながるんじゃないかな」と金子さんは期待を寄せます。
フィールズ応援団の代表格といえば、青葉台駅前郵便局長の村野浩一さん。フィールズのほぼ全試合に足を運び応援しているほどの熱心なファンで、影に日向に選手を支えます。横浜エリアの郵便局長たちをまとめる多忙な村野さんですが、最近のブームはなんと「養蜂」。青葉台郵便局の屋上でミツバチを飼い、ハチミツを収穫して青葉台エリアの地産地消を盛り上げようと、「青葉台ハニービー・プロジェクト」と名づけて注目を集めています。
実は村野さん、森ノオトが青葉区との協働事業で実施している「フラワーダイアログあおば」に共感し、郵便局のできる緑化活動として養蜂に取り組んだのだとか。一般社団法人青葉台工務店のサポートによるミツバチ小屋のDIYに近隣郵便局長さんたちと取り組んだり、郵便局周辺の水やりにも精力的です。
青葉区の地産地消に関わる人たちの、地元のプロスポーツチームを応援しようという気持ちが熱い青葉区。こうした人たちをつなぎ束ねるのが、日体大FILEDS横浜オフィシャルサポーターズクラブBLUESです。青葉区のローカルメディア『スパイスアップ』編集長の柏木由美子さんが中心となって、外からプロボノとしてフィールズを応援するとともに、日体大に限らず学生と地域をつなぐ取り組みをしています。柏木さんと一緒にBLUES事務局を務める山田有香さん、マネージャーの嘉山寧さんとともに、TSUBAKI食堂でフィールズとの交流を企画しています。
柏木さんは「炎天下の中90分プレーし続けるスタミナを持ちながら、普段はフツーの、よく笑う女の子たち。そんな彼女たちの人柄にふれると、ついエールを送りたくなってしまいます」と、フィールズを応援し続けている理由を語ってくれました。
この「アスリート丼」を構想したのは、ナチュラーレ・ボーノの植木真さんです。植木さんは一人暮らしや寮生活の選手たちの食事情を知り、アスリートの毎日の食事からサポートしたいと2019年から2020年にかけて「アスリート弁当」をつくってきました。ナチュラーレ・ボーノの姉妹店・Revive Recipe TENZOの栄養士が考案した週替わりの弁当は、毎回効能表が添付され、「今週は身体のリカバリーやコンディションの調整に効果のある献立にしました」「今週は瞬発力アップに効果のある献立です」などとメッセージが記載されていました。
植木さんは「地元の飲食店としてやれるサポートをしただけ」と謙遜しますが、その心意気にグッときた椿さんが「青葉区丼でそれをやりたい」と思いを引き継ぎました。
今回、椿さんとフィールズやBLUESは初めての出会いとなりますが、選手たちのさわやかさと、その応援団の熱い気持ちに魅了された椿さん。青葉区丼をきっかけに地産地消×スポーツが盛り上がっていくのではないかと期待されます。
10月17日(日)13:00キックオフの対オルカ戦(ニッパツ三ツ沢球技場)では、椿さんも一緒に観戦し、青葉区丼を販売する予定です。
「アスリート丼」期間中にはフィールズ選手たちがTSUBAKI食堂で交流イベントをやることも予定されているので、詳しいことが決まり次第、森ノオトのSNSでもご案内しますね。
青葉区の農・福・商連携を発信!TSUBAKI食堂「青葉区丼」 後半は「横浜あおば小麦つながり丼」
https://morinooto.jp/2021/09/29/aobakudon02/
TSUBAKI食堂presents「青葉区丼 前半」
日時:2021年10月1日(金)~10月15日(金)
1日限定20食(予約がおすすめです)
TSUBAKI食堂
住所:神奈川県横浜市中区本町6-50-10 横浜市庁舎2階 LUXIS FRONT内
営業時間:11:00~23:00(感染症対策のため時間変動あり)
電話番号:045-211-4300
詳細はTSUBAKI食堂HP(https://tsubakisyokudo.owst.jp/)またはFacebookページ(https://www.facebook.com/tsubaki.ygc)でご確認ください。
日体大FIELDS横浜
http://www.nittaidai-fc.com/ladies
オフィシャルサポーターズクラブBLUES
https://blue-s-official.com/
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